まずはブランド認知がカギか
急展開での米国ローンチといえるが、大きなステップとなったのが今年7月に発表した米国のTVメーカーVizioの買収だろう。20億ドルを払って、Vizioの技術、人材、そして人脈や流通を手に入れた。Le EcoはYahooがサンタクララに構えるオフィスも一部取得しており、1万2000人規模にできる体制を整えているとのこと。ちなみに現在同社の米国での社員数は500人だ。かなりのスピードとスケールで、米国でのビジネスを立ち上げていく計画と見える。
なお本国ではVRヘッドセット、カメラなども展開しており、それらもゆくゆくは米国で導入するのかもしれない。
では、Le Ecoはうまくいくのか? 車を含むスマートデバイスすべてを網羅するアプローチであるだけに、ブランド認知はとても重要だ。一般的な米国ユーザーがLe Ecoを選ぶとすれば、Apple、Samsung、Amazon、Netflix、Teslaなどと比較することになるのだ。
簡単ではないことは間違いない。Xiaomiも、Huaweiも、(まだ)実現できていないことだ。Le Ecoの幹部らはイベント中、自社を「Disrupter(市場破壊者)」と名乗った。そのとおりになるのだろうか。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
この連載の記事
-
第342回
スマホ
AR/VRの長すぎる黎明期 「Apple Vision Pro」登場から6ヵ月、2024年Q1は市場はマイナス成長 -
第341回
スマホ
世界で広がる学校でスマホを禁止する動き スマホを使わない時間を子供が持つことに意味がある? -
第340回
スマホ
対米関係悪化後も米国のトップ大学や研究機関に支援を続けるファーウェイの巧みな戦略 -
第339回
スマホ
ビールのハイネケンが“退屈”な折りたたみケータイを提供 Z世代のレトロブームでケータイが人気になる!? -
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? - この連載の一覧へ