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JAWS-UG中部・北陸勉強会レポート 第13回

5トラック40本近いセッションでAWSの魅力を幅広くカバー

ライター重森が体験したJAWS Festa 東海道 2016熱狂の1日

2016年10月24日 11時00分更新

文● 重森大 編集●大谷イビサ 写真●金春利幸

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13時~:ビジネス戦国時代、エンジニアは歩兵ではなく武将たれと訴える長澤さん

 「いまさらきけない、なんでアジャイル? なんでクラウド?」と題して午後一番のセッションを展開したのは、アトラシアンの長澤 智治さん。最初に長澤さんは、ビジネスにおけるITの役割が大きく変化していることについて触れた。

「こうしたなかで再注目されているのがアジャイル開発です。アジャイル開発にも限界はありましたが、クラウドとの出会いにより、いくつもの制約が破壊されたのです」(長澤さん)

アトラシアン 長澤 智治さん

 アジャイル開発は継続的な改良を続けるもので、明確なゴールがない。クラウドを基盤とすることで、その抽象度はさらに高まっている。エンジニアはコードを書くだけの歩兵ではなく、これらを見渡してビジネスアーキテクチャを創出する武将でなければならないと長澤さんは語った。

機械学習勉強会の後藤さんがディープラーニングの基礎とデモを紹介

 バズワードのひとつでもある機械学習を取り扱うセッションもあった。機械学習名古屋勉強会の後藤 俊介さんが登壇した「学ぼう機械学習! 〜簡単なデモと実践〜」だ。

機械学習名古屋勉強会 後藤 俊介さん

「機械学習、ディープラーニングという考え方自体は、数十年前からありました。最近急に注目を浴びているのは、学習対象となる大量のデータを収集できるようになったこと、アルゴリズムの改良やコンピュータの性能向上により実用的な処理速度を得られるようになったことが背景にあります」(後藤さん)

 ディープラーニングの基礎的な分類や、学習を効率化するアルゴリズムについて触れた。AWSでもAmazon Machine Learningという機能が提供されている。

 こうした紹介ののち、実際にディープラーニングで数字を学んだプログラムに、手書きの数字を認識させるというデモンストレーションを披露。ノートPCのタッチパッドでかなり適当に書かれたものでも、正しく認識されることを示してみせた。

ディープラーニングのデモンストレーションで、人間が見てもよくわからない記号を「1」と認識する様子を紹介

JAWS-UG名古屋のUenoさんがCMSの既成概念をぶち壊す

 CMSはコンテンツを管理するシステムで、ブログやWebサイトの開発基盤だとばかり思っていた。そんな既成概念を吹っ飛ばしてくれたのが、JAWS-UG名古屋のKatz Uenoさんの「CMSの今後とIoT 〜concrete5などのCMSが進む道」と題されたセッションだ。

JAWS-UG名古屋のKatz Uenoさん

「CMSには、Webアプリケーションに求められる機能が備わっています。だからこれをIoTなどのフレームワークとして活用しようというのが、本セッションの主題です。皆さん、基礎的な部分まで内製して無駄なことしていませんか?」(Uenoさん)

システム開発と形式手法が交差するとき、物語は正しく始まる

 どのセッションを取材しようかと情報収集していた筆者の目に、チェシャ猫さんのこんなツイートが飛び込んできた。

「クラウドと形式手法が交差するとき、物語は始まる−」

 なんだそれ気になる!形式手法って何のことなのかさっぱりわからなかったけれど、気になってしまったものはしようがない。そんな訳で足を運んだセッション会場、待っていたのはなんとネコミミ男子だった。

チェシャ猫さん

 イロモノかと思いきや、セッションの中身は数学をベースとした超ハードな内容だった。形式手法とはシステムを数学的対象として表現し、数学的な理論を用いて検証する手法のことだという。

「AWSを使った開発にはAWSPECやAWS Config Rulesなどのテスト手法がありますが、いずれも現物を対象としたテストしかできません。たとえばサブネットの設計が間違っているなんて場合には意味をなしません」(チェシャ猫さん)

 これに対してチェシャ猫さんが唱えるのは、設計段階でその内容を数学的な条件として定義し、形式手法で検証すること。検証に使うツールはモデル検査器Alloyだ。定義された条件から起こりうる可能性をすべて列挙してくれるので、設計段階におけるいわゆる「仕様バグ」を発見できる。つまり、手戻りのない開発を実現できるという訳だ。

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