ソニーのオーディオの新製品を紹介していく本特集。今回はインナーイヤー型の新モデルとなる「XBA-N3」(実売価格 3万5000円前後)を紹介する。前回のヘッドフォン「MDR-1000X」、前々回のウォークマン「NW-A30」シリーズと同じく10月29日発売予定だ。
今や高級ヘッドフォンやイヤフォンは10万円を超える価格のものが増えており、実売で3万円台というとミドルクラスと言ってしまいがちになるが、ちょっと前なら高級機と呼んでいた価格帯。
音質にこだわりのある人が選ぶクラスのモデルだし、しっかりと音にこだわったモデルと言える。なお、XBA-N3の下位モデルとして「XBA-N1」(実売価格 2万2000円前後)も同時に発表されている。
BA型とダイナミック型のハイブリッド方式を採用
XBA-N3の外観は、ちょっとユニークな形状になっている。イヤーキャップよりも小さな細身のボディーと、後方に太鼓のような円筒形パーツが組み合わされたような形だ。
これは、「HDハイブリッドドライバーシステム」というBA型とダイナミック型の2種類のドライバーを組み合わせた方式のため。前方の細身の部分にBA型ユニットがあり、後ろの円筒形の部分に9mm口径のダイナミック型ドライバーがある。
ユニットはどちらも自社開発のもので、BA型はユニットの体積を約30%減少し、振動板の形状の見直しと軽量化で音質を向上した。
ダイナミック型はLCP(液晶ポリマー)振動板を採用し、小口径ながらも磁気回路を外磁型として大型の磁石を搭載して駆動力を向上。さらにユニットの後方に設けた拡張音響空間や、極細の音響管を組み合わせることで、振動板の後ろ側の空気の動きを精密に制御。バランスのよい中音域の再生や広がりのある音場の再現を可能にしている。
音導管を真ちゅう素材として内径を拡大することで、ユニットから発せられた音をロスなく伝えるなど、さまざまな新しい技術が盛り込まれている。
このほか、低音域の通気抵抗をコントロールする「ビートレスポンスコントロール」や、グラウンドを独立させた4芯構成の銀コートOFC材ヘッドホンケーブルの採用など、これまでのモデルで採用された技術もしっかりと盛り込まれている。
そして、接続ケーブルの着脱にも対応する。接続部はMMCX規格となっており、ソニーからもオプションで発売されているバランス接続ケーブルなどへの交換も可能だ。
新開発のイヤーピースで付け心地バツグン
装着してちょっと驚くのが、イヤーピースの感触の良さ。耳に収めてみると、円筒形の部分が少しはみ出す感じだが、軽く手が当たった程度ではズレないし、歩いていて外れそうになるような不安感もない。
その理由が新開発の「トリプルコンフォートイヤーピース」。2種類の硬さのシリコンゴムと独自のシリコンフォーム素材を組み合わせたもので、イヤーピースがずいぶんと厚みがある。
ちょうど、ウレタンフォームのイヤーピースとシリコン素材のイヤーピースの中間的な感触で、ぴたっと貼り付くようなフィット感はシリコン系のものだが、耳に当たる感触が柔らかい。
装着感が心地いいし、耳当たりが柔らかいのにフィット感が良く、外れにくいと感じた。これにくわえて、従来のイヤーピースも3サイズ用意されている。
この2種類のイヤーピースのほか、キャリングケースやクリップなどが付属しており、内容は充実している。
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