第3回は、Core m版スティックPCこと、「STK2M364CC」(Core m3-6Y30搭載)の基本情報を収集していく。また、各種ベンチマークなども計測している。
もちろん、油没するための基本的なデータ取りがてら、空冷でどうなるかを見ることが第一目的だ。油没にトライしないにしても、空冷でどこまで使えるのかという情報はあったほうがいい。
手のひらサイズはそのままでスペックアップ
Compute Stickの冠を捨てていないため、第1世代同様にちゃんとスティック形状で、かつスティックサイズをキープしている。
サイズは38mm×114mm×12mmで、少しだけ大型化しているが、搭載するSoCはTDP4.5WのCore m3-6Y30(2コア4スレッド)になるため、冷却を考えると致し方ないところだろうか。
そのほかのスペックを見てみると、メモリー4GB(DDR3 1866MHz)、SSD 64GB、GPUはIntel HD Graphics 515。ワイヤレスはIEEE 802.acとBluetooth 4.2。
インターフェースには、USB 3.0×1、microSDカードスロット、USB Type-C×1となっており、USB Type-Cは電源を兼ねつつ、ACアダプター側にあるUSB 3.0×2も使用可能になるため、油没の際に必要なケーブルを1本減らせる点がステキだ。なお、電源供給の規格「USB PD」には非対応だ。
さて、Core m3-6Y30を搭載したモデルは、Surface Pro 4やLet's note RZ5、dynabook RX82、HP Elite x2 1012 G1、MateBook、MacBookなど、多く登場している。
いずれもヘヴィな作業には向かないが、通常作業であれば、ほぼこなしてくれるため、STK2M364CCにも期待が持てる。とはいえ、ノートPCに採用されるSoCを十分に冷やせているのか、真っ先に気になって部分だと思うが、OCCT 4.4.2読みでアイドル57度付近だった。精神的にあまりよろしくない温度だが、極省スペースPCとしてはがんばっている。
アイドルの温度からすると、ユーザー側から関与できないレベルのSoC管理が気になったので、段階的に負荷をかけつつ、途中にファンで冷却を挟んでみたところ、次のような振るまいを確認できた。
- 内蔵ファンが動作するのは70~71度以上
- 71度を超えると、2スレッドを優先して動作させ、パフォーマンスが落ちないように動作クロックを上昇させる
しきい値を超えるとほぼ2コア状態にして乗り切ろうとする動きがおもしろく、後述するベンチマークでは、とくに冷却していない状態のほうがスコアは高い結果になっている。
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