スポティファイジャパンは9月29日、日本でのサービスをエントリー制で開始した。Apple Music、Google Play Musicなど、欧米発の配信サービスに比べ、日本でのサービス開始が遅れたが、日本向けのプレイリストはすでに100万種用意されているという。
料金プランは、無料とプレミアムの2種。無料プランは広告付きで、すべてのプレイリスト、アーティスト、アルバムがシャッフル再生可能。ユーザー自身でプレイリストを編集できる。しかし、利用時間は30日ごとに15時間という制約がある。また、スマホで再生する場合、つねに「シャッフルプレイ」となり、スキップ回数に制限がある。
月額980円のプレミアムプランは、無料プランの内容に加え、すべての曲がオンデマンド再生対応、オフライン再生対応、配信ビットレートは320kbps、広告なしだ。
減収傾向にある音楽業界を活性化したい
Spotifyは、無料プランで流れる広告費とプレミアムプランの利用料が収益となって運営されている。スポティファイは「販売しているのは音楽へのアクセス権であり、個々の楽曲やアルバムではない。他の代表的な音楽配信サービスと異なり、Spotifyは曲がストリーミングされるごとに印税が発生する仕組み。そのためSpotifyユーザーは楽曲をダウンロード購入する音楽ユーザーの平均に比べ、約2倍の金額を使っている」という。
スポティファイジャパンCEOのハネス グレー氏はドイツでの事例を発表会場で披露。音楽市場の収益高で日本は世界2位、ドイツは世界4位の規模であり、両国ともCDの売り上げが音楽市場の約半分を支えているが、例年減少しているという類似点がある。しかし、2012年3月にサービスを開始以降、4年連続で音楽業界全体の収益が上がり、2015年はCDおよびデジタル音楽配信からの収益は4.6%増で、2013年と比べると3倍の増加率になるという。
ドイツのローカルアーティストをSpotifyの1億人以上のユーザーに紹介することで、Spotifyがドイツの音楽業界を底上げに貢献したように、今後、日本のアーティストを世界中に紹介し日本の音楽市場を盛り上げたい、と話した。
走る速度で曲を提案する「Running」がおもしろい
Spotifyの特長的な機能としては、全楽曲には対応していないが「歌詞表示」、PlayStation 4での再生、スマホからAirplayやBluetoothスピーカーへの移行の容易さなどがある。
主なプレイリストは、国別のトップ50「チャート」、新しい音楽を毎週金曜日更新で提案するプレイリスト「ニューリリース」、ユーザーの好みをもとにオススメの音楽を毎週月曜更新で提案する「ディスカバー」。そのほかジャンルや気分ごとにも用意されている。
そのなかでもユニークなのが「Running」。ランニングを開始すると、走る歩数をもとにテンポに合わせて楽曲を提案するというもの。また「朝」や「夜」など時間帯のほか「楽しい」「ワイルド」などランニングのテーマ別であったり、「トップヒット」や「メタル全開」などジャンルに合わせて走れるなど、趣向が凝られている。