9月15日、フレクセラ・ソフトウェアは戦略説明会を開催。IoTやソフトウェア市場が抱える課題について説明すると共に、ソフトウェア開発会社の「FlexNet Producer Suite」とユーザー企業向けの「FlexNet Manager Suite」、さらに最近追加したソフトウェアの脆弱性管理について披露した。
Install Shieldで25年の実績を誇るフレクセラ
フレクセラ・ソフトウェアはソフトウェアのライフサイクル管理を提供する米国のソフトウェア企業。5億5000万台を超える機器で利用されている「InstallShield」を中心に、ライセンス管理やセキュリティ、エンタイトルメント管理、ソフトウェア配信や更新、製品内分析を提供する「FlexNet Producer Suite」、買収したSecuniaの製品をベースにした脆弱性管理ソリューションを展開している。日本でも25年に渡る実績があり、富士通、三菱、NECなど1400社を超える顧客を擁しているという。
発表会に登壇した米フレクセラ・ソフトウェアのグローバル・バイス・プレジデントであるオルソン・アダム氏は、2020年に14兆円に拡大する見込みのIoT市場において、適切なソフトウェア管理を行なわなければ、3.5兆円の収益を損失すると指摘する。
この理由はさまざまだ。製品がコモディティ化したり、生産コストがかかったり、製造において柔軟性と俊敏性が欠けることも大きい。また、ハードウェアの偽造やソフトウェアの違法コピー、アップセルやクロスセルに結びつかないソリューション型の販売も損失につながるという。
ソフトウェア開発会社とユーザー企業の課題をカバーする製品群
フレクセラのFlexNet Procucer Suiteは、開発会社(製作者)が必要とするソフトウェアのライフサイクル全般をカバーする。
製作者においては、提供しているソフトウェアの対価を確実に得ると共に、複数の製品オプションを作りたい、アップデートを迅速・確実に実行したい、著作権を保護したいといったニーズがあるという。こうしたニーズに対応するFlexNet Producer Suiteはライセンス管理や使用量のキャプチャ、著作権の保護を行なう「FlexNet Licensing」、複数のタイトルを作成・管理できる「FlexNet Operations」、ソフトウェアの更新や製品内でのメッセージング、診断などを提供する「FlexNet Connect」から構成されており、ソフトウェア開発会社に対して収益の基盤を提供する。「ソフトウェア中心の新たなビジネスモデルを構築でき、今後IoTなどでも利益を上げることができる」とアダム氏は語る。
一方、購入者は必要なものだけを購入し、安全なものを使いたいというニーズがある。しかし、ライセンスモデルや契約が複雑だったり、提供元がM&Aで変わってしまうといった課題があるほか、クラウドやBYODなど新しい市場に対応できないという現状がある。こうしたユーザー企業に対しては、ソフトウェアのライセンス管理やコンプライアンスを提供する「FlexNet Manager Suite」が用意されている。今回、ソフトウェアの脆弱性に対しても、セキュリティパッチを管理する「Corporate Software Inspector」や脆弱性に対してリスク評価する「Vulnerability Intelligence Manager」が発表された。
日本ではFlexNet Procucer Suiteをウチダスペクトラム、NTTコミュニケーションズ、SoftwareOne Japan、フロム・ナウの4社、脆弱性管理をソフトバンク コマース&サービス、SoftwareOne Japan、ウチダスペクトラムの3社をパートナーにしてビジネスを展開する。