世界中の人と一緒に走れる「Zwift」の魅力
今回、取材にご協力いただいたのは横浜・港北区にあるスポーツバイク専門店「グローブ港北店」。その渡辺店長によると、同店のお客さんだけでも20~30人規模で「Zwift」ユーザーがいるとのこと。ほとんどが無料トライアル期間中にハマってそのまま続けているそうで、その理由のひとつに「実走に近い」ことがあるという。たとえば、コースの勾配を登る際はペダルを回す速さ(ケイデンス)が平地と同じでも、自転車の進み方が落ちてペダルが重く感じ、下り坂になると逆に進み方が速くなってペダルが軽く感じる(インドアトレーナーの種類によっては勾配具合に応じて自動的に負荷がかかり、体感ではなく実際にペダルが重くなったり軽くなったりするものもある)。
また、「自分ひとりだけの世界ではなく、他のライダーと走れる」のもハマりやすいポイントだそうだ。オンラインで世界中とつながっているため、どの時間帯でも常に誰かがコースを走っている。画面上には近くにいるプレーヤーのリストが表示される上、視界に入る場所を走っているプレーヤーの場合はアバターも表示される。ときにはリストの中に現実世界の知り合いの名前を見かけることもあるという。そんな場合、自分のアバターを知り合いのところまでワープさせ、一緒にツーリングすることも可能だ。このほか、プロの選手と一緒に走れるグループライドやレースイベントなども随時実施されており、気軽に参加できることも魅力となっている。
トレーニング用のワークアウトメニューも豊富
トレーニング用のワークアウトメニューも豊富に用意されており、心拍向上やFTP(1時間疲労せずに出し続けられる平均のパワー)向上など目的に合わせてメニューを選び、与えられた課題をこなしていくことでスキルアップを目指すことが可能だ。おもしろいのは、課題をこなして経験値が上がったり、走行距離やプレー時間が一定のレベル以上になると、アバター用の新しいウェアやホイールなどのパーツを手に入れられる点。つまり、アバターが身につけているアイテムを見ると、その人のおおよそのレベルが推測できるというわけだ。そのため、「もうちょっと頑張ってかっこいいウェアをもらおう!」という具合にモチベーションが高まるのだそうだ。
ちなみに、仮想空間内とはいえプレーヤーの自転車スキルがそのまま反映されるため、一般的なゲームにありがちな裏技を使ったレベル上げのようなものはなく、ひたすら地道にスキルを磨いていくしかない。ただし、渡辺店長によれば、ライダーの身体的特徴(筋力・柔軟性)や目的に合うように実車を調整することで走行時のパフォーマンスを上げることはでき、それが「Zwift」でのレベル上げにつながる可能性は大いにあるという。スポーツバイクを取り扱う一部プロショップでは施行しているそうなので、自転車の購入時に相談してみるといい。グローブ港北店でも「Body Geometry Fit」というサービス名で実施している。
スポーツバイク専門店「グローブ港北店」
今回取材にご協力いただいたのは、スポーツバイク専門店「グローブ港北店」(神奈川県横浜市港北区高田東1-41-19)。スタッフ選りすぐりのロードバイク・マウンテンバイク・クロスバイクに加え、豊富な用品群が販売されている。渡辺店長には「Zwift」の説明のほか、自転車のポテンシャルを引き出すサービス「Body Geometry Fit」の実演もしていただいた。
「Body Geometry Fit」は、たとえばライダーの体の幅や柔軟性に合わせてハンドルの位置を調整したり、クランクの長さを変えたりすることでライドを快適に行なえるようにするサービス。初心者なら怪我をしにくくなるメリットがあり、中・上級者ならパフォーマンスをぐっと上げられるそうだ。ツーリングやレースなど目的に合わせた調整も可能とのことなので、「あともうちょっとパワーを上げたい」など、自転車に関する悩みがある人は相談してみては?