“IoTミニ四駆”をご存知だろうか。
IoTミニ四駆とは、タミヤのミニ四駆に改造用パーツを組み込み、スマートフォンから操縦できるよう改造したもの。Cerevoが過去3度開催したIoTミニ四駆製作ワークショップは、すべて募集開始から即満員となるほど応募が殺到した。「次回はいつ?」「東京以外での開催は?」「教材としての販売は?」そんな大量の問い合わせがあったという。
プログラミングとものづくりを同時に学べて、
子どもはワクワク、しかも1万円
Cerevoは6月30日、“改造ミニ四駆”製作キット「MKZ4」を発売した。価格は6458円で、7月中旬から順次出荷する。また、専用のプログラム書き込みキットと、電子工作向けツールセットもあわせて発売。直販サイトから購入できるほか、量販店や玩具店など店頭販売も行なう予定だ。
MKZ4は、無線LANモジュール「ESP-WROOM-02」や、ミニ四駆操作用の専用基板、ステアリングパーツほか基板実装に必要なパーツを一式セットにしたもの。このキットを用いることで、市販の「ワイルドミニ四駆」をスマホから操縦できる“IoTミニ四駆”に改造できる。実際にどのような手順で作るかは、ワークショップのレポート記事を参考にしてほしい。
記者発表会に登壇したCerevo代表取締役社長 岩佐琢磨氏は「ハンダ付けから簡単なプログラミング、組み込みソフトのI2C経由書き込みなどが体験できる、業界初の製品。しかもお値段は、業界標準を大きく下回る」と話す。また、元はワークショップから生まれたキットだが、今回の発売にあたり部品類の設計を見直したことも説明。(ワークショップでは3Dプリントしていた)プラパーツは金型から起こし、耐久性を向上させたという。
MKZ4用プログラム書き込みキット「MKZ4WK」は、無線LANモジュールへプログラムを書き込むのに必要なもの。パーツと違いひとつ持っておけば何度でも使えるため、あえてMKZ4とは別売にしたとのこと。価格は2138円。兄弟や友達同士で共用するのがオススメだ。
ひととおり揃えたい人は、MKZ4とMKZ4WK、そしてワイルドミニ四駆本体をセットにしたスペシャルパック(9599円)がお得だ。こちらは1種類30セット、合計90セット限定となっている。
MKZ4と同時発売する電子工作向けツールキット「MKZ4TS」について、岩佐氏は「ツールキットのほかに何も使わずに組み立てられることをCerevoのスタッフが実証済み」とコメント。テスターや急速加熱機能付き半田ごてなど、スタッフが中国・深センで探したというこだわりの逸品をセットにしたという。価格は1万778円だ。
岩佐氏は「なぜIoTミニ四駆を作ろうと思ったのか、その背景となるストーリーが大事だと思ったので」と話し、プレゼンを展開。「これまでの電子工作キットは、高価で、いきなり回路図が出てくるような“初心者お断り”がほとんど。工具も何を買っていいかわからなかった。プログラミング学習も、iPhoneの画面のなかで何かが動くだけ。子どもたちがワーッと楽しめて、ものづくりとプログラミングを同時に学べるようなものは海外でもまだ少ない。いま、この時代に、子どもたちにワクワクするIoTを感じていただきたくてワークショップを企画した」。
おもしろさのポイントは、「現実世界で成果物が動きまわること」だと岩佐氏は語る。ワークショップと同等以上の内容を、誰もが自宅で楽しめるようになると自信満々だ。
最後に、MKZ4の発売記念ワークショップの開催がアナウンスされた。開催は8月で、予約開始日は7月中旬の予定。詳細が決まり次第Cerevo公式サイトでお知らせするとのこと。