このページの本文へ

ASCII 夏のベストセレクション2016 第2回

ライター高橋量がオススメする鉄板のWi-Fiルーター

夏ボこそ「Aterm WG2600HP」が狙い目!! 高機能Wi-Fiルーターで超快適ネットを目指すのだ!

2016年07月08日 11時00分更新

文● 高橋量、編集●Atermマニアックス

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「安心感」 - なぜ「Aterm」シリーズを選ぶべきなのか?

 実のところ、現段階で11acによる1733Mbpsの最大通信速度に対応するWi-Fiルーターは「Aterm WG2600HP」以外にもいくつか存在する。そのような中で、なぜAtermシリーズを推すのだろうか?

 これは筆者の好みという理由も少なからずあるのだが、「安心感」があるというのが最大の理由だ。Atermシリーズはインターネット回線がまだISDNだった頃から存在し、20年以上もユーザーに支持され続けている。通信速度が速いのはもちろんのこと、壊れにくい・トラブルが少ないという信頼性の高さで選ばれているのだ。通信機器でどれを買うべきか迷った際、筆者は「Atermシリーズを選んでおけばまず間違いはない」とオススメしておきたい。また最近は、筐体サイズがコンパクトであることやデバイスを簡単に接続できる点も選ばれる理由のひとつとなっている。

 今やネット回線は電気や水道と同じくらい、日々の生活になくてはならないものとなっている。トラブルなく快適に使うためにも、信頼できる無線機器を使いたいものだ。

「Aterm WG2600HP」はここがスゴイ!

 続いて、「Aterm WG2600HP」の注目ポイントを解説しよう。実行速度の計測結果を紹介する前の前提知識として、ぜひ知っておいていただきたい。

 まず「Aterm WG2600HP」の最大1733Mbpsという通信速度は、4本のアンテナ(受信4本、通信4本の4×4 MIMO)によって実現されている。1733Mbpsの最大通信速度に対応するのは、5GHz帯の11acを利用している場合のみだ。2.4GHz帯では、11nで最大800Mbpsの通信速度に対応している。2.4GHz帯の4×4 MIMOは通常の規格値で最大600Mbpsまでなのだが、デジタル変調方式のひとつである「256QAM」技術を利用することで、最大800Mbpsの通信速度を実現した。

 4×4 MIMOのWi-Fi子機はまだ市場に存在しないため、最大1733Mbpsの高速通信を利用するには「Aterm WG2600HP」を2台使って、1台をイーサネットコンバーターとして利用することになる。今後、PCやスマートフォンの内蔵アンテナが進化すれば、4×4 MIMOの恩恵を受けられるようになるだろう(現在は2×2 MIMOで最大867Mbpsが主流)。何より、混線の影響が少なく通信が安定している5GHz帯の11acを利用できることは大きなメリットだ。11b/g/nのWi-Fiルーターから乗り換えれば、その効果に驚くに違いない。

「ビームフォーミング」で、
iPhone 6/iPhone 6sやGalaxy Sがさらに快適に

 さらに、「Aterm WG2600HP」は「ビームフォーミング」と「MU-MIMO」に対応している点も特徴だ。ビームフォーミングとは対応端末に向けてWi-Fiの電波を集中して送信する技術で、非対応端末に比べて遠距離通信時の実行速度が向上する。iPhone 6/iPhone 6sシリーズやGalaxy Sシリーズ(S4以降)の対応機器を持ってるなら、ぜひ活用したい。

期待の「MU-MIMO」も対応済み

 もうひとつのMU-MIMO(マルチユーザーMIMO)は、ビームフォーミングをさらに発展させた技術だ。Wi-Fiルーターに複数の子機(PCやスマートフォンなど)が接続されている場合、従来の方式(SU-MIMO)では1台ずつ時間をずらしながら通信していたため、端末の台数が増えるほど通信速度が低下することになった。だがMU-MIMOならそれぞれの子機の受信状態を調整しながら同時に通信できるため、端末の数が増えても通信速度が低下しにくい※1。MU-MIMO対応の対応する子機※2はまだ少ないものの、今後リリースされる対応製品のためにMU-MIMO対応環境を用意しておくといいだろう。特に家族の多い家庭や複数の端末を同時に使うことが多い方にオススメだ。

※1MU-MIMO(マルチユーザーMIMO)を快適に使用するには、スマートフォンなどの子機もMU-MIMOに対応している必要があります。
※2スマートフォンでは、京セラ、サムスン、シャープ、富士通の新機種でMU-MIMO対応が進んでいます。

「極技」(きわみわざ) -
複数同時の通信も快適、つながりやすい新アンテナシステム

 「Aterm WG2600HP」の新アンテナシステムについては、「極技」(きわみわざ)としてNECプラットフォームズ独自の先端技術をふんだんに投入している点を押さえておきたい。「Aterm WG2600HP」では、従来の「μSRアンテナ」(マイクロSRアンテナ)に加えて、「アイソレーション・アンテナ」「ピン・ダイポールアンテナ」を採用している点が隠れたポイントなのだ。

基板の端に配置された米粒程度の大きさの「μSRアンテナ」(写真は、AtermWG1800HP/WG1400HPのもの)。非常に小さなサイズにもかかかわらず非常に高性能な点が特長だ

 「アイソレーション・アンテナ」は、「μSRアンテナ」(5GHz帯)の間に配置することで、アンテナそれぞれから出る電波を電気的に分離(アイソレーション)するためのもので、これにより干渉を抑えより高速な通信を実現している。

 「ピン・ダイポールアンテナ」もまた興味深い。「μSRアンテナ」は、基板上に配置するため、基本的に電波は平面方向のみに放射される。この平面に直交する垂直方向に電波を放射するために「ピン・ダイポールアンテナ」を採用し、三次元的に電波を分離(アイソレーション)しているのだ。

横置き・縦置きのどちらもOK!
コンパクトかつスッキリ、片手でも持てる小型デザイン

 これだけの機能を盛り込みながら、本体サイズが小さいという点も見逃せない。各社製品と見比べると、4×4 MIMOのWi-Fiルーターとは信じられないほど「Aterm WG2600HP」はコンパクトかつスッキリとしたデザインで、片手でつかめるほどのサイズしかない。また取り外し可能なスタンドの取り付け位置を変えることで縦置きや横置きで設置したり、ネジを使って壁に掛けた状態でも設置できる。これほどフレキシブルに設置できるハイエンド機はない。

「Aterm WG2600HP」の前面は非常にシンプル(写真左)。背面にはWAN接続用のLANポート、LAN接続ポート×4、USB3.0端子、モード切替スイッチなどが用意されている

付属のスタンドとカバーを付け替えることで、縦置きや横置きで設置できる

「極技」(きわみわざ) - 「μEBG」(マイクロEBG)で
アンテナへのノイズを最大約25%遮断

 「Aterm WG2600HP」に盛り込まれたNECプラットフォームズの先端技術「極技」(きわみわざ)は、新アンテナシステムだけではない。ノイズ対策のための技術「μEBG」(マイクロEBG)技術もそのひとつだ。本体のプリント基板内を伝わって基板の端などから放射される電磁ノイズを遮断し、アンテナへのノイズの侵入を最大で約25%カットするというもので、受信感度向上や安定した高速通信に役立っている。通常は基板上にノイズカット用の部品を配置するため、どうしても基板自体が大きくなるのだが、AtermシリーズはこのμEBGによって基板を小さくすることができているのだ。

写真中央部にある渦巻き状の模様にみえるものが「μEBG」。線の長さを調整することで、ノイズを抑える周波数を変更できるという

初心者にやさしい“らくらく”アプリもバッチリ用意

 そのほかにもスマートフォン/タブレットで簡単に接続できるアプリ「らくらくQRスタート2」、「らくらく「かざして」スタート」などが用意されているほか、端末ごとに接続時間を設定できる「こども安心ネットタイマー」など、豊富な機能が用意されている(後述)。「Aterm WG2600HP」は初心者から上級者まで満足できるオールマイティーなWi-Fiルーターなのだ。

スマートフォン/タブレットで簡単に接続できるアプリ「らくらくQRスタート2」、『らくらく「かざして」スタート』を利用すると、全自動で接続設定が行なわれるので便利だ。その手軽さに驚くこと間違いなし

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン