筆者が「Shot Now Focus Later」(まず撮ってピントは後から)というキャッチコピーを使い、鳴り物入りで発表された「Lytro Light Field Camera」を購入して一人で盛り上がっていたのは今から3年半ほど前のことだった。
“後からピント”という、極めて大衆にわかりやすい先進技術は近未来の“究極のカメラ”の最大要素でもある。つい先ごろまでは、技術論優先のマニアックなこれらの類似機能は、マニアだけのお遊びアイテムだったが、今や各社のスマホカメラに搭載されはじめているのだ。
それらが似たようなテクノロジーなのか、まったく別のテクノロジーなのかは問題ではなく、そういう楽しくて面白い機能がユーザー層の広いスマホカメラの機能として搭載されはじめたことが素晴らしい。
ドイツのライカがカメラ部の開発に協力し、中国のファーウェイとコラボした「P9」が発表された時、筆者は脊髄反射的にウェブで予約し、発売出荷日にはミスティック・シルバーのP9を入手していた。
HUAWEI P9に先立つサムスンの「Galaxy S7 edge」もP9同様、内蔵カメラにかなり力を入れた商品で、今回は併せて紹介したいと考えている。
LEICAロゴが誇らしいHUAWEI P9
Galaxy S7 edgeと外観を比較!
配達されてきたHUAWEI P9はパッケージも極めてオシャレだった。もはや昔のメイド・イン・チャイナのイメージからは大きくかけ離れセンスも抜群だ。
今回のP9も赤いLEICAの赤いロゴが入ったシンプルな白いパッケージで、ブラック&シルバーのLEICA定番パッケージのサブブランドモデルかと思ってしまうほどだ。
筆者はつい先日、個人使用のスマホをiPhone 6 Plusから前述のGalaxy S7 edgeに切り替えた。
現在は、それに加えてP9を2台目の日常使いのスマホとしている。サイズ的には5.5インチの湾曲したディスプレーを採用しているGalaxy S7 edgeのほうが、P9(5.2インチ)より少し大きく、見た目も手に持った感じもGalaxy S7 edgeの方がエッジディスプレーのせいでソリッドでシャープな印象がある。
全体的な面サイズに比例して、重量的にもGalaxy S7 edgeの方がP9より実測で20gほど重い。Galaxy S7 edgeもP9も指紋認証による起動時アンロック機能を備えているが、P9は、iPhone系やGalaxy S7 edgeのような表面下部のホームボタン認証ではなく、本体背面の中央、上4分の1くらいの位置での認証だ。
背面に配置された指紋認証パッドの浅い窪みは、スマホをごく自然に手に持った時に、、人差し指などの指先部分が認証パッド部分にごく自然に触れる位置構造になっており、極めてナチュラルだ。
デュアルSIM(SIM×2かSIM+microSD)を製品のウリにしているGalaxy S7 edgeと異なり、P9はシングルnanoSIM+microSDの平凡な構成だ。
価格的には結構な開きがあるGalaxy S7 edgeとP9ではあるが、ICT系の通信クライアントであるスマホとしてのパフォーマンス評価を別にすれば、機能や使いやすさは両者互角か、時としてP9の方が優っているところも多い。
筆者の個人的なP9の不満といえば、Galaxy S7 edgeが対応している非接触充電機能(Qi)に対応していない点だろう。
充電時間の問題や充電パッドのコスト問題など、まだまだ解決しないといけない問題は多いが、スマホユーザーとして実際にQiを使ってみればその便利さ、快適さは自明だ。次期P9クラスのスマホはぜひ対応してほしい。
あと、P9で筆者が個人的に気になったのはUSB充電ポートがType-Cであることだ。次世代の方向性としてはまったく間違ってはいないが、すでにLighitningケーブルとmicroUSBケーブルを使っている筆者に、またしても新しい第三標準のType-Cが加わり、結果的に給電側コーブルコネクターが3種類になってしまったことだった。
ところで今回、筆者が発売日に購入したP9にはなぜか専用のアクリル製カバーが付属していた。品質的には決して悪くはないが、滑りやすいセミハードなABS仕様であったので、滑りにくいTPU素材のソフトケースを購入。
カメラ機能を多用しそうなP9の場合、アウトドア環境での落下、破損の危険性も高く、ケースやカバーにはスリップ防止が確実にできるケースを選びたかった。
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