このページの本文へ

バナナの皮で滑って転ぶが、驚くべきことに誰も蹴らない

ボストン・ダイナミクス、アーム付きの4足歩行ロボットを発表

2016年06月24日 20時10分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

アームを装備するSpotMini

 米ロボット企業ボストン・ダイナミクスは6月23日、アームも装備する小型四足ロボット「SpotMini」を発表した。

 ボストン・ダイナミクスの四足歩行ロボットといえば米国防高等研究計画局DARPAに支援の下に開発された「BigDog」が有名だが、高速走行の「Cheetah」や、小型の「Spot」なども開発している。今回発表されたのはSpotよりもさらに小型なモデル。

既存の四足歩行/人型ロボットに比べるといかにも小型(なお、同社は手のひらサイズの走行ロボットも開発している) 

 本体重量は約29.5kg(アーム含む)。油圧駆動は装備されておらず駆動部は電動モーターのみ、1回の充電で90分間動作するという。公開されたデモンストレーション動画では屋外に加えて家庭内のリビングやキッチン、階段などを自在に走行、1本のアームでちょっとした家事のようなことも行なっている。

キッチンでは把握アームを用いてちょっとした家事をこなす 

 廊下にあるバナナの皮で滑って転ぶ(同社の技術ではこれくらいの障害物はセンシングできると思われるのでいかにもあざとい)のだが、起き上がる際にはアームを用いて体勢を変えているのも興味深く、やはりBigDogのような四足歩行ロボットにもちょっとしたアームがあると便利そうだ。

いくつかの試作機があるのか、スマートな外装を装備している機体も

 なお、同社最大の四足歩行ロボットであるBigDogは、兵士に代わって荷物を運んでくれる軍用を前提に開発が進められていたが、結局米軍には不採用に終わっている。今回のような「家庭内で人のサポートをするロボット」としての展開はボストン・ダイナミクスにとっては新たなコンシューマー用途を見据えたものとも考えられる。

バナナの皮で滑って転び、アームを使って立ち上がる

 ボストン・ダイナミクスはグーグルに買収され、現在ではグーグルが売却すると噂されている。どこが買い取るとしても、同社にはこんな素敵メカを今後も作り続けて欲しいと言うほかはない。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン