意外!? FMV最大の特長はセキュリティだった!
今年も各社の夏モデルラインナップが発表され、店頭を賑わせている頃。さてさて今回はどんなモデルが……と量販店で入手したとあるパンフレットをめくってみると、最初のページに目を奪われるようなコピーが躍っていた。
「パソコンは、セキュリティでもっと楽しくなる」
このパンフレットとは、「FMV」シリーズでお馴染みの富士通のカタログだ。従来、PCのカタログでメーカーがまず訴えることといえば、その基本性能の高さだったり、購入して実現できるさまざまな楽しくて便利な事柄だったりするもの。それなのになぜ富士通は「セキュリティ」を前面に押し出してきたのか? まかふぃーぶとしては非常に気になるところ。
ということでさっそく富士通さんにお邪魔して、この意外な“セキュリティ推し”の真相について、キーマンにお話を聞いてきた。
富士通がPCのセキュリティ対策を強力に推す理由
── パンフレットを開いて驚きました。なぜコンシューマー向けPC製品のパンフレットで、セキュリティを最前面に推し出したのでしょう?
丸子正道氏「企業ユーザーが高いセキュリティ意識を持ってPCを使っていることは承知していました。そして近年では、個人ユーザーもセキュリティ対策の意識は欠かせないものになっています」
PCのセキュリティ対策が甘ければ、マルウェアなどの侵入によって個人情報が漏洩する危険性は、もはやあらためて言うまでもないだろう。
ネットバンキンク利用者が増加したことに伴ってフィッシング詐欺の被害が増えているという報道もある。また、パスワードを使い回すことによって、いわゆる「パスワードリスト攻撃」による被害も多数報告されている。
そして2016年に入ってついに「マイナンバー制度」が始動。マイナンバーの管理は自己責任という風潮も広まりつつある。そしてすべてのユーザーが必ずしもセキュリティリテラシーが高いとも限らない。セキュリティ対策に関しては、いろいろと頭の痛くなるような時代なのである。
そういった現況を鑑みた富士通は、今までより一層“セキュリティ対策が重要”という事実を広めるため、セキュリティ推しのコンセプトを掲げていく方針にしたという。
丸子「ただ単純に『危険です! 怖いんです!』と声高に叫んで危機感を煽るのではなく、(我々がPCの)セキュリティを万全にすることで、“富士通のPCを使えば安心して楽しいPCライフを過ごせます”という形で伝えたいと考えています。また、この取り組みを進めていくことで、高セキュリティを“FMVの特長”として印象づけたいとも思っています」
ご存じのように現在、国内メーカー製PCは富士通を含めた3大メーカーが鎬を削っている状態といえる。そして同社の調査によれば、これら3大国内メーカーのラインナップからPCの購入を検討しているユーザーにとっては、どの製品も同じように見えてしまう傾向にあるのだという。
その結果、製品選びに迷うユーザーは、量販店などで“オススメ”されるがままに製品を購入しがちになってしまう。
丸子「個人ユーザーに“富士通のPC、FMVなら安全だ”というイメージを持っていただくことで、そこを製品選びのポイントの1つとして捉えていただければと考えているのです」
セキュリティが重要だと認知されつつある昨今のご時世だからこそ、個人ユーザーにとって安心なPCを購入することがメリットになるということを訴えていきたい考えのようだ。その印象がユーザーの購買意識に響けば、シェア拡大につながることにもなるだろう。
全製品に「リブセーフ3年分」バンドル……えっ製品版!? 3年!?
── “セキュリティでもっと楽しくなる”ための具体的な取り組みを教えてください。
丸子「コンシューマー向けPCの全製品に、『マカフィー リブセーフ 3年版』をバンドルしています」
── 試用版ではなく3年版ですか?
丸子「はい、3年版です。また、従来の製品にバンドルしていた試用版については、ほとんどの方がその後製品版を購入していると聞いています」
この話からもわかる通り、個人ユーザーもPCへの脅威に対して備えようという意識はあるのだ。それならば、はじめから製品版をバンドルすることでユーザーの利便性を高め、さらに富士通PC全般への支持も高めようという試みといえる。
なお、3年分がバンドルされている「マカフィー リブセーフ」は、1ライセンスで家中のPC、スマホ、タブレットのセキュリティ対策が可能。顔や指紋など生体認識などで数百に及ぶID・パスワードを一括管理できる「True Key」機能も備える。クラウドサービスがネット生活に欠かせなくなった昨今ならではの製品だ(詳細はこちら)。
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