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モバイルSEOなんて、ありません 情報の評価とその閲覧性の話

文●渡辺隆広/SEMリサーチ

2016年05月12日 15時59分更新

記事提供:SEMリサーチ

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モバイルSEOなんて、ありません 情報の評価とその閲覧性の話

スマホが主流のデバイスになるに従い、モバイルSEO の最新動向が知りたい、スマホSEOの方法を教えて欲しいといった相談はよくあるのですが、本質的に SEO はデバイスと関係がありません。

インターネットの世界は PC を中心に広がってきましたから、世の中の大半のウェブは PC の閲覧を想定して制作されてきました。そこへさまざまな(PCと比較して)特性や制約のあるスマートフォンというデバイスが登場したため、検索エンジンは優れた検索体験を提供するうえで次の2点を考慮する必要が出てきました。

  1. ページの重要度や信頼性の評価
  2. 特定のデバイスにおける操作性や閲覧性

後者がいわゆる「モバイルフレンドリー」と呼ばれる領域です。しかし「操作性や閲覧性」と書いた通り、これは本質的にユーザーエクスペリエンスの観点から解決していくべき問題であって、SEO(検索エンジンと向き合う)の問題ではありません。

前者のページの重要度や信頼性の評価は、デバイス非依存の、検索エンジンが常に解決していくべき普遍的な課題です。たとえば、あなたの子どもがある日の夕方、ひどい高熱を出したとします。翌日の朝に病院に連れて行くにしても、その晩にとりあえずできる措置がないかインターネットで医療情報を探したい。このとき、どのデバイスから情報探索を行おうと、求める情報の有益度や信頼性に違いはないはずです。スマホから検索しているから PC からの検索より情報の信頼性が落ちても構わないと考える人はいないでしょう。

同様に、週末に家族で食事に出かけるにあたりお店を探すうえでも、その検索がどのデバイスで行われようと求める情報の質・量に違いはない、妥協はしないはずです。

SEO を推進するということは、ネットでの評判を構築し、(ユーザー=人からは無論)検索エンジンに優れたサイトであると認識してもらうための継続的な取組であり、検索エンジンフレンドリーにするための施策の連続です。同時に、検索ユーザーの意図を汲み取り、それに適した、疑問や課題を解決するためのウェブ閲覧体験の提供を続けていくことでもあります。いずれにせよ、それらはデバイスの違いに影響を受けるものではありません。あえていうなら、モバイル特有の利用シーンにあわせてコンテンツの提示方法を変更していくことが求められますが、それは検索エンジン対策の範疇ではないと思います。

Google が提唱する「モバイルフレンドリー」に関連するアルゴリズムというのは(私は過去に何度も繰り返し述べていますが)本質的に SEO の話ではなくてユーザーエクスペリエンスの問題です。実際、2015年4月21日以後、モバイルフレンドリーはほとんど話題にならないですよね、単に Google が煽っただけだというのが個人的な感想です。


重要度評価を行う上でモバイルに限定する合理的理由はない

「モバイル検索ならモバイル向けページの評価を使うのが自然」「モバイル検索のランキングにPC向けページの評価が使われているという現状に違和感」といった意見もありますが、ページの重要度を判断するうえでモバイル専用のシグナルを利用することの合理的理由はありません。

情報の重要性や関連性を判断するためのシグナル自体がデバイスに依存していないのですから、むしろ、モバイルに限定したシグナル(そんなものはない)を利用することが非合理的といえます。ウェブを利用する私たちがある情報に価値を見出してなんらかのアクション(シェアをする、参照リンクを張る、クリックをする、など)をするとき、そのアクションはデバイスと関係ないですよね。たまたまリンクを張った、シェアをしたデバイスがスマホやタブレットだっただけであり、PCだったらシェアしない/クリックしないなんてケースはないでしょう。

先述した通り、閲覧性や操作性の判断をするためのシグナルはありますが、それは情報の重要度や権威性の判断とは異なるレイヤーです。

しつこく繰り返しますが、デバイスの違い、すなわち利用シーンの違いにより求めるコンテンツの性質は異なれど、求める有益性や専門性は先に述べた通り違いはありません。

情報そのものの重要性を判断することと、その情報の閲覧性を判断することがまったく異なる問題であるとわかれば、「スマホ専用のアルゴリズム」「スマホ専用のインデックス」といった発想がそもそも見当違いであることがお分かり頂けるかと思います。何度も繰り返しますが、情報それ自体の評価を行う上ではデバイスは関係ありません。

また、デバイスという軸で重要性の判断の意味がないとわかれば、今後、新たなプラットフォームやデバイスが登場しても、サイトの価値や評判を高めるための施策においては今までと何一つ変わらないということも見えてくるでしょう。


アプリ検索とウェブ検索

アプリ検索は、Google Play(AppStore)とそれぞれ(ウェブと独立した)アプリ配信プラットフォームなので、そのエコシステムに基づいて検索システムを開発するわけですが、やはり難しかったわけです。Microsoft も Apple もいくつかのアプリ検索スタートアップ企業を買収していますが、今日のアプリ配信サイトの出来具合を見ると、お世辞にもうまくいってはいませんよね。

Google はウェブとアプリの垣根を取り払い、アプリ(ウェブ)の利用を促進するために App Indexing を開発したり、アプリのストリーミング配信といった様々な試行錯誤をしている段階ですが、やはりアプリという閉じた世界の情報を評価するのは難しいのです。


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モバイルSEO の質問や相談というのは5年経過しても(App Indexing や AMP など最新技術を除くと)何一つ変わっていないんですね。言い換えれば、何年経ってもモバイルSEO が理解されていない(まぁ SEO 自体が理解されてないんですが)わけですが。誰もこういったことは説明もしなければ、SEO に関心がある人もこういった本質的な話に関心を持たないことも要因なのでしょうか。

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