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ソフトバンク2016年3月期決算発表、増収増益も純利益は続減

2016年05月10日 22時10分更新

文● 小山安博 編集●南田ゴウ

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 「最大の問題と言われていた」(孫社長)Sprint事業では、顧客ベースをプリペイドやタブレットユーザーではなく、利益の9割を稼ぐというポストペイドに集中したことで利益率が改善。孫社長自身が最高ネットワーク責任者として陣頭指揮を執ってネットワーク改善を継続したことで、米Nielsenの調査では全米で接続スピードが1位になったという。

Sprint事業反転のための戦略

 ネットワークの改善によって解約率も低下。2016年1~3月にはポストペイドの純増数で米AT&T、Verizonの2社を初めて上回った。孫社長は「圧倒的に負けていた両社に、少しだけとはいえ上回ったのは一歩ずつ改善してきていることの証」と話す。ただし同期は純増幅が減少してT-Mobileの「ひとり勝ち」の状況で、孫社長は「敵ながらあっぱれ」とライバルを称賛し、今後の巻き返しを意気込む。

ポストペイド利用者が順調に拡大し、利益が確保できるポストペイド携帯電話の利用者も純増に転じた

大手2社を上回る純増

解約率も順調に低下

 売上高は底を打って反転し、ユーザーから得られる収入も安定的になったことに加え、コスト削減も順調に進展。1年間で千数百億円の固定費が削減できたとしており、EBITDAが20億ドル規模で改善。営業利益は9期ぶりに黒字転換した。

売上が安定化

コスト削減も順調

調整後EBITDAの推移

営業利益も通期で黒字化した

 手元流動性も確保し、「目先のお金のために高いものを買ったり、間違った営業判断をしたりすることがなくなった」と孫社長は強調。効率的な設備投資ができるなど、利益改善につながった。最終利益の黒字化についても「目標のタイミングは近い。最終利益がプラスになるのは近い将来だと信じている」とアピールする。

手元流動性の状況

米Nielsen調査による全米でのLTEダウンロード実効速度

 Sprint事業は売上高が同1.9%増の3兆8716億4700万円、利益が同8.0%減の6148億5000万円。ただし、円安の影響もあり米ドルベースでは売上高が同6.8%減の321億8000万ドル、利益が同21.3%減の5億600万ドルだった。

2015年度の予想は達成

2016年度の予想

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