イタリア・ミラノで開催されるミラノサローネはデザインの祭典とも言われる年に1度の大イベント。今年は2016年4月12日から17日まで開催されました。ミラノ市内では会期中に多数の独立イベントが開かれ、様々な業界から企業が参加しデザインに優れた製品を競い合うように展示します。もちろんモバイル関連の企業も数多く参加。それらの中から、選りすぐりの製品を選んでみました。
スイスの携帯電話メーカー「Punkt.」
スイスのPunkt.の携帯電話「MP 01」はミニマリズムを追求したシンプルな携帯電話。GSM方式のミニSIM対応。SIMカードスロットはひとつ。機能は「通話」、「カレンダー」、「アラーム」のみ。ボタンは押しやすい形状で、機能ボタンはトップのアイコンを見るだけで何ができるかひと目でわかるでしょう。こんなシンプルな機能なのに価格は275ユーロ(約3万4500円)。
しかし、このMP 01を一度手に持ってみると、手にしっくりとなじむから不思議です。机の上に置けば少し傾いた状態でディスプレーが見えるので、着信やメッセージをラクに見ることができます。しかし、スマホ全盛の時代になぜこんなシンプルなフィーチャーフォンをPunkt.は出したのでしょう?
実は海外では1契約で2枚の同じ電話番号のSIMカードを発行するサービスを提供するキャリアが増えています。つまり、1枚はスマホに、もう1枚はこのMP 01に入れておくわけです。そうすることにより、仕事中に使っていたスマホの電源を帰宅後は切り、このMP 01だけを使って通話とメッセージだけでシンプルなコミュニケーションをとる、そんなライフスタイルを提供しようとしているのです。3G対応なら日本でも売れそうなだけに次のモデルのバージョンアップに期待したいところ。
こちらは同じPunkt.の電源タップ。短い円柱の形をしていますが、この円筒のカバー部分を外すと内部に電源タップが5つ並んでいます。延長コードが長い場合は、円筒の内部中央にある柱に巻き付けて長さを調整できます。カバーをはめれば、その柱の上にある電源ボタンで全体の電源のオン・オフもワンプッシュ。
文具でお馴染みのモレスキンもデジタルペンを出展
高級ノートのモレスキンは、専用ペンを使い専用ノートに書いた内容がタブレットやスマホに直接転送できる「Smart Writing Set」を展示していました。いままでのウェブサービス連携ノートとは異なり、モレスキンが専用アプリを用意することでより細かい加工が可能に。ミラノサローネ来訪者の中にはモレスキンユーザーも多いためか、かなりの注目を浴びていました。
まずはノート「Paper Tablet」を開き、付属のペン「Pen+」で書きはじめると、アプリ上に書いた内容がそのまま表示されます。この時、色の変更なども可能。また、書いた内容を画面上で選択して色や太さを変えることもできます。ノートの方には「メールで送る」マークがあり、ここをペンでチェックすると書いた内容がそのままメールで送られます。また、ノートの別のページを開くと、アプリ内の内容も別のものに。ノートはすべてのページに別々のIDがふられており、どのページを開いたかをアプリ側が自動的に判断するわけです。
デメリットは専用のノートを買うことですが、そもそもモレスキンのノートを選んで買っている人ならば、それをこのPaper Tabletに変えるだけで済みます。価格はノートとペンのセットで199ドル(約2万2000円)と高いものの、手書きを多用しノートにも記録を残しておきたい、あるいはモレスキンのノートの愛好者であるならばマストバイと言えるアイテムでしょう。個人的にはノキアが昔出していたアノトノートに似たところもあるので、購入して使ってみたいところです。