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Xperiaヒストリー 第25回

全部入りの最強コンパクト「Xperia Z3 Compact」:Xperiaヒストリー

2016年04月16日 09時00分更新

文● 君国泰将 編集●南田ゴウ

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 Xperiaシリーズは2014年後半になると、8型液晶の「Xperia Z3 Tablet Compact」と5.2型液晶の「Xperia Z3」、4.6型液晶の「Xperia Z3 Compact」と、強烈なラインアップが登場します。

 先代は「Xperia Z1 Compact」、国内モデルは「Xperia Z1 f」と「Xperia A2」を挟んで正当進化したモデルが「Xperia Z3 Compact」です。

 「Xperia Z3」と比べるとふた回りくらい小さい「Xperia Z3 Compact」ですが、「Xperia Z3」とはディスプレーサイズと解像度、メモリー容量には違いがあるものの、基本スペックやカメラ性能も同じで、4K動画撮影対応でノイズキャンセル機能を搭載、ハイレゾ音源にも対応と、従来のコンパクトモデルから比べてずいぶん性能が向上しています。

 サイズは65(W)×8.6(D)×127(H)mmで重量は約129g。背面には強化ガラス、サイドは樹脂系素材を採用して透明感のあるフレームとなっています。

 ディスプレーサイズは、従来モデルの4.2型(720×1280ドット)から4.6型へと大きくなりましたが、液晶解像度は同じ。左右のベゼルを狭くしたことで全体サイズは変わらず、片手でがっちり持てるサイズ感がとてもお気に入りです。

 IPSパネルと“Live Color LED”バックライトを採用することで画面の発色は鮮やかで、かなりナナメの角度から画面を覗き込んでも色が変化して白飛びすることもありません。IPX5/8相当の防水性能とIP6X相当の防じん性能をもち、雨が降ってもそのままお風呂に突入しても、コーヒーをこぼしてもだいじょうぶです。

 コンパクトカメラと同等サイズの1/2.3型約2070万画素イメージセンサー「Exmor RS for mobile」に「Gレンズ」、画像処理エンジン「BIONZ for mobile」の三位一体となった、ソニーのカメラ技術を背面のメインカメラに凝縮。ノイズを抑えつつ最大ISO12800で暗がりでも撮影できたり、動画撮影時の手ぶれ補正の進化具合もかなりのものです。

 実は、高性能性能を維持したままカメラモジュールを小型化しておかげで、本体がスリムになったという恩恵もあります。「Xperia Z1 f」と「Xperia Z3 Compact」を近くに並べて比べると、0.8mmとはいえ手に持つと感じる厚みの違いがわかります。

 しかも、重さも8gほどダイエットしながら、バッテリー容量は2300mAhから2600mAhへと増加するなど、細かく改良されています。

 ちなみに、電子式手ぶれ補正ながら撮影時に保存するタイミングを遅らせてフレームを解析してなめらかな動画を残す“インテリジェントアクティブモード”がなかなか凄くて、2台の「Xperia Z3 Compact」を上下に固定して従来の“スタンダード”とインテリジェントアクティブモードを撮り比べたりもしてみました。

 少し大げさに揺らして歩いてみましたが、特にインテリジェントアクティブモードの効果がかなり大きいのがわかります。

 そして、この小さな「Xperia Z3 Compact」でも4K(3840×2160ドット)解像度の動画撮影ができるようになりました。

 長時間撮れないという制限もあり、マイク性能やズームは専用4Kビデオカメラには及びませんが、出かけた先で4K動画を気軽に残せるというのはなかなか凄いものがあります。

 自宅に4KテレビがなくてもYouTubeにはすぐにアップできたり、フルHD(1920×1080ドット)解像度のテレビにつないで再生中に動画を拡大しても、元映像は4K解像度のため拡大してもキレイなまま。動画の中を自由に動き回れるという不思議な体験ができます。

 「Xperia Z3 Compact」は、なんと本体のヘッドホン出力に専用のハイレゾ対応ヘッドホンを直接つなぐだけでハイレゾ音源を聴けるようになりました。今ではすっかり当たり前になってしまいましたが、当時「Xperia Z2」には外付けのDACが必要だったことを考えると、とても大きな進化でした。

 厳密には対応するハイレゾ音源は96kHz/24bitのFLAC/WAVまでということもあり、本家ハイレゾ対応のウォークマンのような最大192kHz/24bitのFLAC/WAV対応や、ハイレゾ音源に最適化したフルデジタルアンプ「S-Master HX」や高音質化のためのパーツの採用の有無といった、専用オーディオプレーヤーとの違いはありましたが、それでも流行りはじめたハイレゾ音源にいち早く対応したスマートフォンとしては、かなり魅力的でした。

 もうひとつの機能として、「ノイズキャンセリング機能」も搭載しています。ノイズキャンセリングの原理は、イヤホンの横に付いているマイクで周囲の音を拾い、その騒音を打ち消す逆位相の波を発生させて騒音をカットするというもので、これがあるおかげで、周囲のノイズを極力減らして音楽に集中することができます。

 ただし、さすがにハイレゾ音源とノイズキャンセリング機能は併用できませんでした。しかし、まさか1年後に登場する「Xperia Z5」シリーズで併用が可能になるとは思いもしませんでしたが……。

 コンパクト端末とはいえ「PlayStation 4」をリモートコントロールで操れる「PS4リモート」ができたり、「nasne(ナスネ)」やソニー製のBDレコーダーにつないで「家じゅうどこでも視聴」「ワイヤレスおでかけ転送」「外から録画予約」と、やりたいことはほぼなんでもできてしまいます。

 フラッグシップモデルの「Xperia Z2」でスゴいと驚いていた4K動画撮影にも、ハイレゾ音源にもノイズキャンセリングにも一挙に対応してしまい、まさに手のひらに収められるハイスペックスマホとなりました。端末自体もまだまだ現役で、最新OSのAndroid 6.0にも対応する予定。まだまだ活躍は続きそうです。


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