電力自由化の新規参入会社紹介の4社目は、石油などのエネルギー事業を手掛けている昭和シェル石油による電気プラン。これまで紹介してきた企業では、通信サービスなどの本業との組み合わせによるセットプランで割引を提案していたが、昭和シェル石油の場合も本業となるガソリン料金との組み合わせプランとなる。
それではガソリン代が安くなる、昭和シェル石油の電力サービスを紹介しよう。
すでに発電事業を手掛けている昭和シェル石油
昭和シェル石油といえばガソリンスタンドというイメージが強いが、実は2003年からすでに発電事業に乗り出している。その発電もCO2の少ない天然ガスや、ガソリンなどの精製時に出る廃油をリサイクルした火力発電、さらにバイオマス発電や太陽光発電など、地球にやさしい電気が活用されている。
現状は天然ガスによる発電がほとんどだが、昨年11月に稼働を開始したバイオマス発電も約8万3000世帯の年間電力消費量を供給できるとのことだ。
昭和シェル石油の電気プランでガソリンが安くなる
昭和シェル石油の電気プランに切り替えた場合にお得なのはガソリン代が安くなることだ。電気プランの契約していれば、リッター当たり10円の割引でガソリンを入れられる。現状レギュラーで100円/リットル強、ハイオクで110円/リットル強というガソリン価格であることを考えると10円/リットルの割引は10%近い値引率となり、かなりお得だ。ちなみに軽油の場合は5円/リットルの割引だ。
支払いにシェルスターレックスカードを使用した場合には、さらに13円/リットルの割引となり、合計リッター当たり23円もの割引となる。
ただし、割引の対象となるのは月間100リットルまで。10km/リットルくらいの燃費の車であれば1000kmは走行できることになるので、多くのドライバーはほぼ割り引かれた価格でガソリンを給油できるだろう。
電気使用量によっては割高になる可能性も
肝心の電気料金のほうは現状の料金に比べて大きな割引は用意されておらず、月間使用量が600kWhを超えた場合、1kWhあたり1円の割引がある程度だ。また、200kWhまでは2段階の定額制となっているため、現状よりも高くなってしまう。
平均的な電気使用量は約390kWh/月なので、多くの人は現状と同じ料金となるだろう。家庭で600kWh/月を超える電気使用量となるのは夏冬のピーク時に超えるか超えないかといったレベルなので、電気料金は変わらないと考えておくといいかもしれない。これまでの明細などをみて電気の使用量を確認した上で、ガソリンでの値引き価格とあわせて検討しよう。
また、昭和シェル石油の電気プランの提供エリアは東京電力の供給エリア(関東1都6県と山梨県、富士川以東の静岡県)となっている。ガソリンの割引も、このエリアの昭和シェルのサービスステーションのみとなるので注意が必要だ。
次回は、コンビニで得をするMCリテールエナジーの電気サービスについて解説する。