ドコモ、イワヤ、ムーアドール、バイテックグローバルエレクトロニクスの4社は、クマのぬいぐるみ型コミュニケーションロボット「ここくま」を発表しました。発売時期は7月、価格は3万8000円前後の予定です。
クマが遠方の親戚とつないでくれる
ひとにやさしいIoT・ここくま
ここくまは通信モジュールや人感センサー などを備えた、いわゆるIoT(Internet of Things)と呼ばれるタイプの製品。遠隔地に住む親戚などとのコミュニケーションを想定してつくられており、たとえば、メールをつかわない祖父母にメッセージを伝えたいとき、スマホや携帯電話のアプリを利用し、ボイスメッセージやテキストを祖父母のもつここくまへ送信できます。メッセージを受け取ったここくまは、眉、まぶたと口を動かしながらボイスメッセージはそのまま再生、テキストはここくまの声で読み上げて教えてくれます。また、返事を送りたい場合は、ここくまの録音ボタンである左手をにぎり、話しかけるだけでオーケーです。
また、ここくまと所有者とのコミュニケーション機能「話しかけ」も搭載。スマホアプリ側で、所有者の名前や誕生日、住んでいる地域を設定しておけば、名前を呼んでくれたり、住んでいる場所の天気などを教えてくれたりします。ここくまのブローチの部分には人感センサーが搭載されているので、近づいただけで話しかけてくれるなど、機械的なロボットというより家族やペットのようなイメージでコミュニケーションを楽しめます。
加えて、ここくまの利用履歴や既読状況はアプリから常にチェックできるので、簡易監視カメラほどではない「ゆるい見守り」が可能になっています。
「10年愛されるコミュニケーションロボット」になるには?
ここくまの開発は、ドコモが企画の立ち上げ・全体の統括、おもちゃメーカーのイワヤが機構設計と外観デザイン、製造と販売を担当。ここくまの音声やクラウドシステムなどはドコモの「自然対話プラットフォーム」ではなくムーアドールの技術を活用。バイテックグローバルエレクトロニクスは開発マネージメントの役割を担っています。
発表会で、ここくまのプロジェクト発起人であるドコモの横澤尚一氏は「10年愛されるコミュニケーションロボットにしたい」と発言。「ぬいぐるみの外観やUI、機能などのすべてを想定ユーザーからの声で決定した」と語り、より愛着をもってもらえるよう工夫していると言います。
7月発売ということで、通信モジュールの仕様(試作機はLTEのみ、今後3Gでの接続も検討)、SIMフリーなどの仕様決まっていないところも多々ある様子ですが、一番気になるのは「10年使うための保守・保証」の方針です。家族のようなロボットというと、ソニーのAIBOなどを思い浮かべますが、サポートの終了で各地のAIBOのオーナーが「お葬式」を行なうなど話題になりました。発表会担当者に問い合わせたところ、「もちろん部品調達の関係上、サポート期間は限られてくる。また、実際に修理するとなったとき、毛並みの色などが多少変わってしまい、まったく別の個体に見えてしまうなど考慮すべき点もある。非常に繊細な問題として検討していきたい。」と述べていました。
なお、公式ページではここくまのモニター募集を実施中。参加条件がクリアーできる方は、ぜひ応募してみてください。