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PEN-F、X-Pro2、α6300……春の最新ミラーレス一眼徹底レビュー! 第3回

PEN-F、X-Pro2、α6300の多すぎる特殊撮影機能を全解説!

2016年03月30日 10時00分更新

文● 周防克弥

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写真らしい粒子感をデジタルで追加する機能

 PEN-FとX-Pro2はモノクロへのアプローチが重視されているように感じた。ともにモノクロ写真にありがちな粒子の雰囲気を味わえる機能を付けてきている。

 モノクロの粒子感はおもに高感度で撮影した写真にありがちな高感度ゆえの欠点だったり、プリントしたときに見られる解像度不足ゆえの結果とも思えるが、今では写真らしさを演出できる重要な要素だと思う。

 デジカメの高感度時に出てくるノイズとは違い、写真らしい雰囲気を味わえる効果の一つと考えれば、この時期にこの2台が同じような機能を搭載してきたのは面白い。

PEN-Fの「粒状フィルム効果」

オフ

オフ

弱

中

強

 PEN-Fでは「モノクロプロファイルコントロール」の撮影時に利用可能な「粒状フィルム効果」として搭載されている。ちょっと効果が均一だが、それなりの雰囲気は出ている。欲を言えば、明るさに応じてかかり具合を変えられるとよかった。これではフォトショップでノイズフィルターを乗せても同じような感じになるだろう。

X-Pro2の「グレイン・エフェクト」

オフ

オフ

弱

強

 X-Pro2では「グレイン・エフェクト」という名称で搭載されている機能。こちらもPEN-Fと傾向は似ている。カラーでも利用可能なのはうれしいが、やはり粒子感というよりはノイズが全面的に均一に乗っている。

 明るい空とグレーの建物を見比べた場合に、明るい空のほうが粒子感が強いが、実際に銀塩写真に出てくる粒子感は明るい部分や暗い部分ではあまり目立たず、中間調のあたりに多くでてくる。

 どちらも新規に採用された機能なので今後の機種でのブラッシュアップに期待だ。デジカメで銀塩カメラの雰囲気を味わえる効果としては面白く感じるのでぜひともより効果的な機能にしてほしい。

X-Pro2の点像復元処理

 レンズは絞れば絞るだけシャープになるということはない。被写界深度が深くなることでピントの合う範囲は広くなり、近景から遠景までシャープになるという意味では合っているが、解像力という点では絞り過ぎるとシャープネスが低下することが多い。

 カメラに興味がある人なら「回折現象」という言葉に聞き覚えがあるのではないだろうか。できるだけ被写界深度を得るために絞りたいのにシャープネスが落ちるので、あまり絞れないということはよくある。

 メーカーによっては標準で回折現象を抑える処理を行なっている場合もあるが、X-Pro2では設定項目に「点像復元処理」が用意されており、任意にオン/オフできるようになっている。

点像復元処理のオン/オフ(左がオン、右がオフ)

F2.8

F4.0

F5.6

F8.0

F11

F16

F22

 写真を見比べるとちょっとおもしろい事がわかる。絞りをF22まで絞った画像で比べると確実に同機能「オン」のほうがシャープネスが高い。

 これなら十分に効果的な結果が得られるのでいい機能だと思うのだが、絞りを開けてるほうを見比べてみると意外や意外、「オン」にしているほうのシャープネスが低い。

 絞りを絞っていくほど処理がうまくいっているが、絞りが開いてる状態では逆にシャープネスが低下している場合がある。

 このサンプルは「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」を使って撮影しているが、レンズによって差が出てきそうではある。絞りを絞って撮る場合には効果的だが、開放で撮る場合には効果的とは言えない。常時オンにしておくのは注意が必要だ。

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