3月17日からスイスで開催中の腕時計見本市「バーゼルワールド2016」。昨年はスイス腕時計メーカーがこぞってスマートウォッチを出していた。
今年もタグ・ホイヤーやフレデリック・コンスタントが色替えを出したり、ティソが新製品を出していた。最注目は米Nixonが本気のスマートウォッチ「The Mission」を出したこと。10気圧防水、GPS搭載で400ドルだ。これはお安い!
The MissionはAndroid Wearスマートウォッチ。スノーボードやサーフィンで使うことを想定したタフなつくりだ。ケースはポリカーボネート、ベゼルは316Lステンレススチール、ストラップは樹脂、風防はゴリラガラス。ケース径は48mmと大きめ、カジュアルデザイン。
デザインはいかにもヨコノリ系ブランドNixonらしくてかわいい。これが大事。デザインカスタマイズもできる。ベゼルはステンレススチールやガンメタルなど15種類、ストラップは20種類から選択可能。
中身はクアルコムのウェアラブルSoC「Snapdragon Wear 2100」を初搭載。従来ウェアラブルデバイスに搭載してきたSnapdragon 400に比べて消費電力を25%削減し、パッケージサイズを30%小型化した(いずれも公称値)。CPUはARM Cortex-A7(4コア)、GPUはAdreno 304(公式サイト)。
雪や波の情報がわかるアプリ「NIXON MISSION APP」、セッションログ機能を持つ「NIXON TRACE APP」は独自開発。天候、地図なども見られるほか、マイクで「OK Google」もできる。それで10気圧防水?? GPSユニット搭載も驚きだ。それで400ドル??? なおバッテリー持続時間は約30時間。
思い出すのはカシオ計算機のスマートウォッチ「WSD-F10」3月25日発売。
あちらはMILスペックのタフネススマートウォッチ、だが5気圧防水でGPSは搭載せず、税込7万5600円。カシオには時計だけを表示する「タイムピースモード」など独自機能があり、「山のカシオ」「海のNixon」とシーンで分けることもできるが、普段使いを考えるとNixonのコストパフォーマンスが異常だ。逆に何を削ったのかが気になる。カシオは好きなので頑張ってほしい。
最後にバーゼルで見てきたほかのスマートウォッチについて。フレデリック・コンスタントによればスマートウォッチの売上は「とても好調」とのこと。お値段は17万円と決して安くないが、同ブランドのシリーズとして考えれば格安に見えるのが恐ろしい。誰が買っているのかというと、当初は若い層をねらったが、結局40~50代だったそうだ。さもありなん。
盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、記者自由型。好きなものは新しいもの、美しい人。腕時計「Knot」ヒットの火つけ役。一緒にいいことしましょう。Facebookでおたより募集中。
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