スマートフォンの「Xperia Z2」と対をなすタブレット「Xperia Z2 Tablet」は、2014年5月に登場しました。
ソニーのタブレットとしては、「Xperia Tablet Z」から1年ぶりのモデルチェンジです。何がややこしいかというとソニーのタブレット名の変遷で、いちばん最初は「Sony Tablet~」だったものが「Xperia Tablet~」と変わり、そして今度は「Xperia~Tablet」です。歴代の名前を覚えるこっちの身にもなってください! と言いたくなります。
そんな「Xperia Z2 Tablet」ですが、優秀な「Xperia Z2」がそのままタブレットになったといった印象で、使いやすさが抜群に進化していました。
まずは外観です。フラットなスクウェアデザインなのでパッと見違いがわかりません。左「Xperia Z2 Tablet」で、右が「Xperia Tablet Z」です。大きさと重さを比較すると以下のようになります、
Xperia Z2 Tablet | Xperia Tablet Z | |
---|---|---|
サイズ | 266×6.4×172mm | 266×6.9×172mm |
重量 | 約426g(Wi-Fiモデル) | 約495g(Wi-Fiモデル) |
重ねてみるとよくわかりますが、なんと縦横のサイズはまったく同じでした。
縦横のサイズが同じでスタイルも変わらず、ディスプレーサイズも変わりません。良く言えば、液晶保護シートやケースといった類のアクセサリーがそのまま「Xperia Tablet Z」のものが流用できるといった利点があります。
外観で変化したポイントとして、大きいのは厚みで、もともと「Xperia Tablet Z」の6.9mmは薄いな、と思っていましたが「Xperia Z2 Tablet」の6.4mmという薄さはなかなかインパクトがあります。今まで最薄だった「Xperia Z Ultra」の6.5mmよりさらに0.1mm薄いのです。
意外と驚きなのが重量の差で、「Xperia Z2 Tablet」は約426gと「Xperia Tablet Z(Wi-Fiモデル)」の495gから69gも軽量化しています。たかが69gですが、このくらいの重さにもなると、ずいぶんと軽く感じます。
しかも厚さも0.5mm薄くなり、体積にすれば内部は相当に狭くなっているにもかかわらず、バッテリー容量は6000mAhと変わらず。実質パフォーマンスが上がっているので、快適かつ片手で持っているときの負担が減っているのがわかります。
もう見た目にわからなくて当然ですが、基本的な外装構造も変わっています。「Xperia Tablet Z」はサイドフレームの骨格にディスプレーと背面パネルで覆うという構造でしたが、「Xperia Z2 Tablet」は背面から側面まで完全に一体成型となっています。
6.4mmまで薄型化すると折れてしまうかも、という心配もあったりしますが、この一体成型構造のおかげで明らかに剛性が上がっています。片手で持ってバタバタとウチワのように振っても歪みを感じることもなく、この剛性っぷりには安心感を感じます。
防水防塵性能はいつもどおりのようですが、ココも地味に進化しています。「Xperia Tablet Z」はIPX5/7相当の防水性能とIP5X相当の防塵性能ですが、「Xperia Z2 Tablet」は、IPX5/8相当の防水性能とIP5X相当の防塵性能です。違いがわかりづらすぎる? ごもっともです!
「JIS防水保護等級 IPX5」は、内径6.3mmの注水ノズルを使用して、約3mの距離から毎分12.5Lの水を最低3分間注水する条件で、あらゆる方向から噴流を当てても通信端末としての機能を有することというもので、これはどちらも同じ。
違いは、常温で水道水かつ静水の水深1mのところに通信端末を沈めて、約30分間放置後に取り出したときに通信端末としての機能を有する「JIS防水保護等級 IPX7」と、常温で水道水の水深1.5mのところに携帯電話を沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信機器としての機能を有する「JIS防水保護等級 IPX8」の違い。
カンタンに解釈すると、IPX7対応の「Xperia Tablet Z」よりもIPX8対応の「Xperia Z2 Tablet」は、水回りやお風呂で使うにしてもより安心度が増したよ、ということです。ちなみに、イヤフォンジャックがキャップレスになっていますが、実際ここに水が侵入しても、内部ではこの部分だけボックス形状の防水構造になっているそうです。
本体を表から見ると、ディスープレーは約10.1型のワイドUXGA(1920×1200ドット)で、ベゼルの太さも変わっておらず、変化がないように見えます。しかし「Xperia Z2 Tablet」では液晶パネルはIPS方式となり“トリルミナスディスプレイ for mobile”やバックライトに“Live Color LED”バックライトを採用したことで、画像の鮮やかさがはっきりと増しています。
“X-Reality for mobile”をオンにすると、動画もよりくっきりと引き締まってキレイに見えるので、特にタブレットの大画面ではその威力は大きいように思えました。
背面にはメインカメラとなる約810万画素の積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS for mobile」を搭載しています。あ、唯一カメラだけはスマホのような高画素ではありませんでした。
「Xperia Z2 Tablet」のスペックは、CPUにSnapdragon 801(2.3GHz、クアッドコア)、メモリーは3GBと性能面でも1年ぶりにモデルチェンジしただけあって、大幅に向上しています。
スピーカーも強化されたポイントで、本体の両サイドに前向きで搭載されており、ソニー独自のバーチャルサラウンド技術“S-Forceフロントサラウンド”にも対応しているので、本体単独でもしっかり聴き応えのある音声を再生してくれるのもなかなかステキ。
スマホとは異なり、タブレットになるとどうしても本体サイズや重量で取り回しにめんどうな部分がつきまといますが、できるだけ薄く軽くなってくれるとそのぶんガジェット感が薄れ、紙のノートや雑誌的な感覚に寄ってくるといつもの生活に馴染みやすくなります。
そんな「Xperia Z2 Tablet」が一家に1台あると、“お家テレビのリモコン”的な活躍っぷりを見せるのですが、その話は次回に。
この連載の記事
-
第27回
デジタル
4K液晶の最強モデル「Xperia Z5 Premium」:Xperiaヒストリー -
第26回
デジタル
シリーズ国内初のSIMフリー機「Xperia J1 Compact」:Xperiaヒストリー -
第25回
デジタル
全部入りの最強コンパクト「Xperia Z3 Compact」:Xperiaヒストリー -
第24回
デジタル
大音量が楽しめる小型スマホXperia E1:Xperiaヒストリー -
第23回
デジタル
低価格な大画面モデル「Xperia T2 Ultra」:Xperiaヒストリー -
第22回
デジタル
気負わず使える「Xperia Z2 Tablet」:Xperiaヒストリー -
第20回
デジタル
ノイキャンとハイレゾ対応の「Xperia Z2」:Xperiaヒストリー -
第19回
デジタル
4K動画撮影の新時代に突入「Xperia Z2」:Xperiaヒストリー -
第18回
デジタル
正統進化の超定番モデル「Xperia Z2」:Xperiaヒストリー -
第17回
デジタル
大画面ながら価格と性能は控えめ「Xperia C」:Xperiaヒストリー - この連載の一覧へ