キーワード2:
親機/子機/中継機は異なるもの
間違って買わないように注意!
「親機」とは無線LANルーターの本体そのもの。「子機」とは、基本的には親機に対応した「無線LANアダプター」のことで、USBドングル形状の通信機器などを指す。
マニュアルなどで親機(無線LANルーター)に接続された状態のPCやスマホなどの各種無線LAN対応デバイスのことを総称として「子機」と呼ぶこともある。無線LAN機能が内蔵されているため、わざわざ外付けで子機を接続しなくても済むデバイスが多くなったためだろう。
「中継機」は、無線LANルーターの電波を文字通り「中継」して、より遠くへ届かせる役目の機器。たとえばマンション室内で離れた部屋で通信状態が良くないときや、戸建ての建物で1階に親機があって2階でもデバイスを快適に使いたい、というようなときに中継機を利用する。
なお、中継機には、中継専用デバイスもあるが、親機と同等の機器を中継機として利用することもある。
キーワード3:
お子さんのいる環境なら検討したい「ペアレンタルコントロール」
子どもがネットを使うことも当たり前の今日この頃。そんな子どものネット利用を制限するのが「ペアレンタルコントロール」機能だ。
ミドルクラスの無線LANルーターにはほぼ搭載されている。詳しくは本特集の第3回で解説するのでそちらを参照していただきたいが、子どものいる家庭であれば無線LANルーターを使い、“ネットの水際”でトラブルを回避したいものだ。
キーワード4:
通信高速化を補助する「ビームフォーミング」
特定の無線LANデバイスに最適な電波を届けることで、無線通信を高速化する技術が「ビームフォーミング」だ。iPhoneなど対応する無線LANデバイスの位置を無線LANルーターで測位して最適な電波を送り出す。
こちらも詳しくは第3回の記事で解説するが、スマホのような家中のアチコチで無線通信を行なうデバイスが増えた現在ではぜひ活用したい機能だ。
キーワード5:
表記がバラバラで紛らわしい!? 通信を保護する「暗号化」技術
無線LANルーターを使っていると不安になるのが、電波傍受による盗聴とデータ流出、そして勝手に無線LANルーターを使われることだろう。
そういった不安を解消するのが無線LANルーターに備えられた「暗号化」機能だ。特定の認証方式に暗号鍵を組み合わせて通信の暗号化を実現している。
現在主流の認証方式は「WPA-PSK」または「WPA2-PSK」。「PSK」は「暗号鍵」のことで、暗号化技術として「TKIP」または「AES」が組み合わせて使われる。
カタログなどでは「WPA2-PSK(TKIP)」や「WPA-PSK(AES)」のように表記されるのが一般的だが、メーカーによっては「WPA2-TKIP」「WPA-PSK-AES」などと表記されることもあり、内容的には同じ。
なお、無線LANの規格に11b/aぐらいしか存在しなかった頃には「WEP」が認証方式として使われていたが、暗号鍵「WEPキー」が容易に解析できるために推奨されなくなった。
認証方式の強度でいえば「WPA2>WPA>WEP」、暗号鍵の強度でいえば「AES>TKIP>WEPキー」となる。
ただ、現在市販されている無線LANルーターなら、ここで挙げた暗号化機能にはすべて対応しているのが標準だ。というのも、子機となるデバイスによっては対応しない認証方式、暗号鍵があるからだ。
とはいえ、最新のPCやスマホならWPA2にもAESにも対応していることがほとんどなので、暗号化は「WPA2-PSK(AES)」にしておけばいいだろう。また最近の無線LANルーターなら複数チャネルにそれぞれ異なる暗号化方式を設定することも可能になっていし「mixed mode PSK」に対応している親機なら、子機側がTKIPとAESのどちらに対応しているかを判断して暗号化のモードが自動選択される。
なお、第三者が勝手に無線LANルーターを使うことを防ぐ手段として、SSID(無線LANルーターの名前)を隠す「SSIDステルス」機能や、MACアドレスで接続機器を限定する「MACアドレス制限」などもあるが、WPA/WPA2を設定していればほとんど意味はない。
SSIDに特殊な名前を付けていて、ヨソの人に見られたくないなんて事情がある場合にはステルスにするのもいいかもしれないが、ツールを使えばすぐバレる。まあ手間が1つ増えるだけと思っていいだろう。
