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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第106回

GoogleのMVNO、Project Fiは本格的にケータイの料金プランを変えそう

2016年03月09日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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デバイスと通信サービスが紐付くようになる?

 スマートフォンで従量制のデータプランを使っていると、できるだけWi-Fiでのアクセスを使って、モバイル通信でのデータ量を節約しようとします。自宅はもちろん、カフェのWi-Fiも多用しますし、東京では地下鉄の駅でのWi-Fiも重宝します。電車を待つ時間にアルバムをダウンロードしておけば、ストリーミング音楽サービスもデータ通信量の負担をなくすことができますし。

 Project FiのSIMは、モバイル通信とそんなスマホユーザーの行動をうまくサービス化したSIMといえます。個人的には、バークレーではVerizonよりT-Mobileの方がLTEのスピードが出ていましたので、おそらく快適に利用できるようになるでしょう。

 ちなみにAppleは、iPad向けのデータ通信専用SIM「Apple SIM」をリリースしており、日本でも購入できるようになりました。このSIMを利用すると、米国や日本などの行った先で、従量制のデータ通信をiPadから購入することができます。出張や旅行で海外に行く場合、iPadですぐにネットアクセスを行うことができる点がポイントです。

 Apple SIMは今のところ、iPadでしか利用できず、iPhoneやiPad以外のタブレットで利用することはできません。Project FiのSIMがNexus専用であるように、Apple SIMはiPad専用なのです。

 デバイスはSIMフリー化への流れがありますが、SIMがデバイスを選ぶという側面が見え始めた点も面白い現象です。デバイスと通信サービスの関係性が多様化していく過程こそ、料金だけではない、サービスとしてのモバイルの発展になるかも知れません。特にこれから、IoTデバイスの通信をどうするかという問題も控えていますし。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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