ソニーは2月29日、東京工業大学、日本無線、KDDIと共同で進めている高速データ伝送において、40GHz帯/60GHz帯協調による次世代高速ワイヤレスアクセスネットワークの構築試験に成功したと発表した。
大容量データに対応するミリ波帯(30GHz以上)の電波を用いるデータ転送ネットワークの共同開発で、ソニーと東工大では60MHz帯ワイヤレス通信を試作。専用LSIと高速ファイル転送技術により、モバイルサイズの通信モジュールに対して6.1 Gbpsのファイル転送できることを確認した。
また、60GHz帯通信において近接する無線通信装置があった場合でも混信することなく、それぞれ独立して通信を可能とするGATEシステムを共同開発し、統合したシステムとした。このGATEシステムはユーザーがアクセスポイントの前を高速で通過することを予想し、通信リンクの確立をミリ秒単位で行なうという。
モジュールの開発・動作試験に加え、60GHz帯通信システムと、アクセスポイントを結ぶ通信を担うの40GHz帯システムが協調動作することを実証。さらに、ミリ波帯通信は降雨などによって減衰しやすいことから、気象情報と連動してネットワーク経路を迂回するといった技術も構築している。
各社共同で実証実験を行ない、次世代の第5世代通信システム普及に伴うトラフィックの急増、ワイヤレス通信周波数の逼迫に対応する。