理論値最大1300Mbps! 最速のIEEE 802.11acルーターを選ぶ!!
2014年06月17日 12時00分更新
多くの人が所有しているスマートフォンやタブレットを自宅でもガンガン使うとなると、データ通信量を節約するためにも「Wi-Fiルーター」が欠かせない存在だ。
ほかにも、PCはもちろんゲーム機やテレビ、HDDレコーダーなどなど、Wi-Fiに対応する機器はどんどん増えている。しかも、そういった機器でハイビジョンクラスの動画を再生することは珍しくなくなり、それに伴って無線通信でやりとりされるデータ量も肥大するばかり。
そうなると高速なWi-Fiルーターが欲しくなるというもの。ということで、本特集では最新のWi-Fi規格「IEEE 802.11ac」(以下、11ac)規格対応したWi-Fiルーターを紹介していこう。
2014年に正式承認された
「IEEE 802.11ac」についておさらい
2014年1月、IEEE(アメリカ電気電子学会)によって正式承認された無線LAN規格が11ac。同規格の無線LAN製品が国内に登場したのは2013年3月だったが、規格が正式承認されるまで「IEEE 802.11ac(Draft)」とカッコ付きで表記されて販売されてきた。
IEEEの承認によって、現在は「Draft」表記が外れて販売されている。といっても、基本的な仕様はDraftあり/なしで変わらない。実際、Draft表記ありで販売されていた製品のほどんどは、仕様の変更もなくそのまま継続提供されている。
11acの最大の特徴は通信速度が高速化されたこと。規格化されている通信速度は、最大で6900Mbps。もちろん理論値であり、現時点ではそこまでの速度に対応する機器は登場していない。それでも従来規格と比較すると大幅に高速になるのは確かだ。
11acが高速化を実現できたポイントは3つ。「帯域幅の拡大」「変調信号の多値化」「MIMO方式の拡張」だ。以下でそれぞれを詳しく解説しよう。
データの通り道の幅を広げる「帯域幅拡大」
11acがDraft規格ながら2013年3月に日本市場で販売されるようになったのは、そのタイミングで国内の電波法関連規則が緩和されたため。
11acが利用する周波数帯は「5GHz帯」で、従来のWi-Fi規格ではIEEE 802.11a、11nが利用してきた帯域幅だ。電波法の規制緩和によって、その5GHz帯で利用できる1チャンネルあたりの帯域幅の上限が緩和された。
Wi-Fiのチャンネル幅の基本は20MHz。11aはその20MHzの帯域幅で通信していたが、11nではそのチャンネルを2本束ねて1チャンネルあたり40MHz幅の通信で高速化を実現していた。そして11acでは、規制緩和を受けて20MHz×4本の80MHz幅、さらに20MHz×8本の160MHz幅での通信が可能となった。
つまり、11acではデータの通り道が広くなったことで送受信できるデータ量が多くなったということになる。
伝送データ量を増やす「変調信号の多値化」
11nでは、送受信されるデータは「64QAM」方式で変調される。ざっくり説明すると、64QAM方式では、1つの信号で6bitのデータを送ることができる。
11acではこの変調方式が「256QAM」に変更された。256QAM方式では、1つの信号で送受信されるデータ量が8bitとなる。1信号でやりとりされるデータ量が6bit→8bitの約1.3倍となった。一度に送れるデータ量が多くなることで高速化に貢献できるというわけだ。
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