キヤノンは2月2日、同社デジタル一眼レフ最高峰となる「EOS-1D X Mark II」を発表した。4月下旬発売予定で、予想実売価格は73万円前後。
2012年発売の現行モデル「EOS-1D X」の後継にあたるデジタル一眼レフ。35mmフルサイズの撮像素子を採用する点は同じだが、新しいCMOSセンサーを採用。従来機種の1810万画素から2020万画素になっている。
センサー表面には集光率をアップさせる「ギャップレスマイクロレンズ」を配置し、暗部ノイズ低減など高感度撮影時の画質アップを実現している。
画像処理エンジンには最新の「DIGIC 6+」を2つ搭載し、秒間最大14コマ(ライブビュー時は16コマ)の連写と4K動画(60p/50p)の撮影が可能。なお、4K動画はMOV(MotionJPEG)形式で記録され、800万画素相当の静止画として切り出せる。
本体内には各レンズのデーターを保持しており、撮影直後にレンズの特性に合わせてJPEG画像の歪曲収差と回折補正を実行。連写速度に影響を与えずに処理できる。従来からの周辺光量・色収差補正と合わせ、より強力な補正機能を利用できる。
さらに、レンズの補正データをもとにしたRAW現像も本体のみでできるようになった(従来はPC用ソフトで行なっていた)。
感度は常用でISO 51200まで、拡張でISO 409600まで設定できる。常用は従来機と同じだが、拡張は従来のISO 204800から大幅にアップしている。
AFは、測距範囲が中央エリアで約8.6%、周辺エリアで約24%拡大。測距モードとして左、右、中央の3つからなる「ラージゾーン」が新たに加わった。動きのある被写体などで有効だ。
測距点の数は61点と従来機と同じだが、このすべてがF8レンズに対応。中央の1点は-3EVの低照度での合焦が可能だ。
像面位相差AFは、フルサイズの撮像素子としては初めて「Dual Pixel CMOS AF」に対応しており、ライブビューや動画撮影時も高速かつ高精度で駆動する。
測光センサーには36万画素のRGB+IRセンサーを採用し、測光処理用のDIGIC 6を搭載。被写体の追従性能が向上している。
このほか、EOS-1D MarkIVで採用されていたAFフレームの赤色表示が復活。暗い場所でもAFフレームが見やすくなっている。
シャッターを切る際のミラー駆動の仕組みも見直し、よりショックを和らげるようになった。さらに静音撮影モードでの連写が可能となっている。
記録メディアは、CFのほかにCFast 2.0のメディアが利用できるダブルスロットを採用。JPEGであればどちらも無制限で連写できる。さらにファイルフォーマットにexFATを採用することで4GBファイルサイズ制限がなくなり、4K動画も分割せずに保存できる。
本体にはGPSを内蔵し、位置情報の記録が可能なほか、オプションのWi-Fiモジュールを装着することで、スマートフォンからの遠隔撮影にも対応。背面モニターはタッチパネルとなったが、AFフレームの移動と拡大表示のみタッチ操作が可能だ。