本連載では、ほとんどの速度測定にAndroidスマートフォンを用いている。特に理由はなく、単にそのときの機器の使用状況から使っているだけだ。
ところが、記事のため以外に速度測定をしたり、普段の快適さを考えると、どうもiOSの使用感がAndroidとは傾向が違う気がしてきた。そこで、OSによって速度や挙動が違うのか比較してみた。
iOSとAndroidの違いがあるのか
その違いをはっきりさせるため、まずは測定だ。この測定ではIIJmioと、先日の測定ではあまり状況がよくなかった楽天モバイルで比較してみた。
測定した端末はドコモの「Xperia Z3」(SO-01G)と「iPhone 6」で、どちらもドコモ仕様。どちらのSIMもドコモネットワークを使っているため、同じ場所の測定では速度測定を2台同時に行なわないようにしている。
また、測定のたびにSIMを差し替えたのだが、SIMの交換に数分の時間を要し、特にiOSは構成プロファイルの入れ替えという時間がかかる作業があるため、計測した時刻には数分のズレがあることは了解いただきたい。
まず最初は最高速度計測ということで、午前4時から5時ごろの早朝の速度を測定してみた。
その結果、楽天モバイルではiOSでRBB計測で下り80Mbps近くという非常にいい結果が出た。ただし、数値を見ると測定サイトとOSでかなりばらつきがある。RBBだけ見ればAndroidのほうが高速にも見えるが、OOKLAのほうでは、iOSが上回ることもあった。
全体的には今回の比較の発端となった「iOSのほうが速度速いのでは?」という疑問とは正反対の結果になっている。
お昼のピークが遅いのは両者同じ
ただし挙動に違いが……
続いてお昼の計測だ。昼の時間のトラフィックは非常に特殊で、経験上、12時30分ごろから13時ちょうどにかけて急激に速度低下が発生する。
12時の休憩時間のうち、ランチを食べ終わったころから、休憩時間が終わるまでスマホをいじる人が多いと想像できる。
もちろん、混雑時間帯はほかにもあるが、この時間帯ほど極端に速度低下する時間はない。このときの速度を見れば、格安SIM事業者の回線の強さをある程度知ることができる。
実際に見てみると、基本的にはどちらも速度低下が著しく、どちらがいいというほどでもない。
ただ、表には反映されていない違い点として、Androidのほうが低速時のタイムアウトがしやすいということがある。速度計測でもエラーになる率はAndroidのほうが高いほか、実際に使ってみても、ウェブのエラーになることが見られた。
データの流れが遅く、表示が遅いのはどちらも共通だが、非常に遅い状況ではiOSのほうがトラブルが少ないということだろう。
なお、速度自体でいえば楽天の高速さが目立つ。特にAndroidの計測で下りが速いのは、計測時刻が12時50分ごろになり、混雑のピークをやや脱してしまったためもあるが、速いということに間違いはない。
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