鳥類は恐竜の子孫にあたることは知られているが、恐竜も鳥のような求愛行動を行なっていた可能性があるという論文が発表された。
「Theropod courtship: large scale physical evidence of display arenas and avian-like scrape ceremony behaviour by Cretaceous dinosaurs(獣脚類の求愛:白亜紀恐竜のディスプレーアリーナおよび鳥のような引っ掻き跡の大規模証拠)」と題された論文で、コロラド大学デンバー校などの研究チームが発表、1月7日に公開された。
コロラドにある白亜紀恐竜の化石サイトで、獣脚類(ティラノサウルスなどの二足歩行恐竜)のコロニー近くに残された足跡の調査研究。獣脚類の歩き方は現代の鳥類に似ているが、とくにこの化石サイトでは両足で作った引っ掻き傷のような独特な足跡が見られるという。
これは擬似的な巣作り行為として鳥類でも見られ、研究チームではこれは恐竜の求愛行動ではないかと推測している。このエリアには同様な足跡が複数発見されることから、このエリアが恐竜が求愛行動を行なう場所なのではないかとしている。
研究チームは、各種鳥類の求愛行動(とくに飛べないカカポやダチョウ)の類似点などとも比較しつつ、繁殖時に不可欠ななわばり主張や性的アピールがあったとして、求愛ダンスの存在(残念ながらどんなステップを踏んでいたかは残っていない)や求愛の声(もちろん残っていない)などを想像している。