ワコム流、紙とデジタルの融合
紙に書いたものをデジタルデータにしようと思うと、真っ先に思いつくのが「スキャナーによるスキャンニング」だが、スキャナーに置く、スキャンし、ホストデバイスに転送する……面倒ではないが、ちょっとしたものを取り込むためには大掛かりだ。何より屋外ではできない。
「スマートフォンやタブレットで撮影する」という方法もある。手軽だし、外でもできるが、撮影条件や撮影者の腕にデータの品質が左右されるデメリットがある。暗すぎたり明るすぎたりすればうまく撮れない。
「紙に書いたちょっとしたものを高品質に、すばやく取り込みたい」という需要に応えるための製品は、デジタルペンとか、デジタイザー付きのメモパッドとか、色々とあるが、ワコムが2015年10月に発売した「BAMBOO Spark」もまさにそういった要求に応えるための製品だ。
が、ほかの製品とひと味違うのは「紙に書く」までが普段通り紙に書くのと何も変わらないところ。バインダー状の本体に置いたメモパッドに専用のペンで書き、書き終えた後でボタンを一度押すだけで書いたものを正確に、高品質にデジタルデータ化してくれるのだ。またメモパッドは交換式で、ロディアのメモパッドなどサイズの合うものならなんでも装着できる。(サイズさえ合えば)好みの書き味のメモパッドを利用できるのも大きな魅力だ。
対応端末はiOS 8を搭載したiPad mini/iPad 3/iPad Air/iPhone 4s以降のiOS端末、またはAndroid 4.3以降のAndroid端末。利用には無料の専用アプリ「BAMBOO Spark」が必要だ。ホストデバイスとの接続はBluetooth。アプリの初期設定時に表示されるガイダンスにしたがって接続しよう。
使い方、好みでタイプを選ぼう
本体は9.7型までのタブレットが収納できるタブレットスリーブ付きのモデルと、スマートフォンや名刺などを収納できるガジェットポケット付きのモデルの2種類。ガジェットポケット付きのモデルはフラップ側にマチのないポケットが付いているだけなので、日常的にタブレットを携帯し、かつ組み合わせて利用する機会が多そうなら、どちらかというとタブレットスリーブ付きのモデルがおすすめだが、Bluetoothが接続できる範囲に端末があれば利用自体には問題ないため、かならずしもスリーブに装着しておく必要はない。利用スタイルに合わせて、好みで選んでいいと思う。価格も同じだ。また、公式サイトにはこのほかにiPad Air専用のスリーブが付いたモデルも掲載されている。