「おいしいものを家でも食べたいんですよね」。
筆者が編集部でボソッとつぶやいたのが冒頭の言葉。いそがしい編集生活、ついつい外食やコンビニ飯がメインになりがち。それが悪いと言いたいわけではないが、ちょっと家での食事もグレードアップさせたいのだ。
……などとグチっていたところ、デジタルとITにうるさいアスキー編集部員が、「自分が今年使った調理家電を紹介する! これを買えばいいぞ!」とオススメしてきた。しかも、4人も。なんというか、自分のものを自慢したい人々が多い編集部である。
というわけで、彼らの熱い主張に耳を傾けてみよう。まず最初は、アスキー編集部のヒットメーカーにして、オシャレでブランドにもこだわるモリタの朝食革命演説からどうぞ。
めちゃうまトースト生産機
バルミューダ「The Toaster」
みなさん、これは革命であります。ただのトースターが最低な月曜を最高の月曜に変えるのであります。
なぜ最高の月曜に変わるのか。朝食べるパンがうまいからであります。とろけるチーズとマヨをあぶり焼きにしたトーストがうまいからであります。こんがりホットサンドにしたランチパックがうまいからであります。なぜうまいのか。それはテクノロジーであります。カリッ、モチッを実現するテクノロジーなのであります。
トースターの上から小さじ1杯(5cc)の水をそそぎ、つまみをひねると、ボイラーに水がまわり、熱い蒸気が発生するのであります。水分は気体より早く熱されるため、蒸気によってパンの表面が軽く焼け、パンの内側から水分が逃げなくなるのであります。
トーストする温度は、パンの風味をよみがえらせる60度、きつね色に焼きつける160度、焦げる寸前の220度と3段階で切り替わるのであります。これができるのはマイコンとセンサーが庫内の温度を1秒単位で計測・制御しているからであります。
ジブリ映画「魔女の宅急便」に出てくる「おばあちゃんのかまど」をイメージしたというデザインも秀逸であります。「おいしいものがここから出てくるんだ」という期待感を高める目的は100%達成しているのであります。ちなみに本場ヨーロッパのかまどとちがってお掃除もわりかし簡単であります。
惜しむらくは、パンの「焼き時間」が天面に書いてあるため読みづらい、扉が重すぎて手前にバウンドしそうになる、スチームのための注水を忘れやすいなど、使い勝手の細かい不満であります。しかしそれはごく些細な不満であり、やっていくうちに慣れるものであります。本質は、生活の革命であります。
The Toasterは2万円超、けっして安くはない製品であります。しかし、安いパンを最高の味に変える価値ははかりしれないものがあるのであります。たとえ金欠でパンしか買えないときがあったとしても、俺はこんなときだって最高のパンが食べられるんだぞと思うことで、明日への英気を養える気がするのであります。