中国では人気のエントリークラスのスマートフォンが、1000元(約1万9000円)を切る価格で買うことができる。そのため、かつてはiPhoneのニセモノを筆頭に、農村市場ほか一部界隈で注目を集めていた、どこのメーカーが作ったかわからぬノンブランドの山寨機(シャンジャイジ)は、値段的魅力が減少し、以前よりも勢いはなくなっている。
山寨機の現状を調べていたら、「大哥大手机(ダーガダー ショウジ)」なる、興味深い最新機種にたどりついた。
大哥大手机とは、昔の今に比べて大きな携帯電話のことをいうのだそうな。だが2015年リリースの最新機種を謳う大哥大手机は、「大きい」だけでは説明できず、「バールのようなもの」と例えられてもおかしくないほど超巨大な携帯電話である。
「MOTOROLA」ならぬ「MOTQRONA」??
牛乳パックほどの巨大携帯電話機を買う!
大哥大手机に一目惚れした筆者は、山寨機の聖地である深センの「華強北」で探した。さすがに大きな機種だけあって、すぐに発見できる。
実物の動作をチェックし、ウェブでの紹介と変わらぬ機能をチェック後、価格交渉を行い320元(約6000円)でゲットした。山寨機らしく、見た目はあやしい。下には「MOTOROLA」に似た「MOTQRONA」というロゴがある。
ちなみに、当連載では過去に出た「大哥大手机」がベトナムで流通し、それがベトナムで爆発し事件になったことを紹介した(関連記事)。それは旧モデルであり「新モデルではきっと問題対策は改善されているはずだ」という希望的観測を持って購入している。バッテリーに負担をかけたベンチマークは、気分的にできなかったことを理解いただきたい。
それにしても大きいとはわかっていても、手に持ったときの大きさに驚く。底面積が若干小さい以外は、牛乳やジュースでおなじみの1リットルの紙パックとほぼ同サイズなのだ。
15cmというアンテナは「どんなに弱小な信号でも拾う」ことをアピール。そして重さも600gと重量級で、スマホやタブレットはもちろん、バッテリーを抜いた「Let's Note RZ4」より重い。
ならばバッテリーも重いのではないかとチェックしてみれば、そこらのコンパクトデジカメやモバイルルーターのものよりも巨大で圧倒される。携帯電話のバッテリーながら、重さは269gあり、バッテリーなのに「こぶし大のサイズ」という形容がしっくりくる。説明書によれば「100日持つ」という。
(次ページに続く、「広場や宴会場にも響き渡る大音量」)
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