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実用化の目処とされる変換効率15%まであと一歩

有機薄膜太陽電池で大幅効率アップが期待される新素材が開発

2015年12月07日 12時43分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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半導体ポリマーのエネルギー状態と有機薄膜太陽電池の電力変換メカニズム。新半導体ポリマーPNOz4Tではエネルギー損失が少ないのが特長

 科学技術振興機構などは12月2日、光を電気に変換する効率の高い新半導体ポリマーを開発を発表。有機薄膜太陽電池の実現可能性が見えてきた。

 有機薄膜系太陽電池は塗布プロセスでプラスチック上に作り込めることから低コスト・低環境負荷などの利点があるが、シリコン半導体太陽電池に比べて光を電気に変える効率が低いため実用的な太陽電池が作れなかった。

 科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業において、理化学研究所(理研)と京都大学が新たな半導体ポリマー「PNOz4T」を開発した。これは2012年に開発したポリマー「PNTz4T」を改良したもので、最大で9%という有機薄膜太陽電池としてはかなり高い光エネルギー変換効率を実現する。

光エネルギー損失とエネルギー変換効率の関係。

 変換効率だけではこれよりも高い有機薄膜系材料は存在するが、光を電気に変換する際のエネルギー損失を大幅に低減することができたのが大きな前進としている。研究チームでは、薄膜の改良により2016年度中に変換効率12%達成を目指すとしており、さらに実用レベルと言える変換効率15%を目標に研究を進めるとしている。

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