OpenStack対応を重視、最新版は物理+仮想スイッチでSDNファブリック
現在Big Cloud FabricおよびBig Monitoring Fabricは、5つの業種を主要なターゲットとして展開している。Webテック系企業、政府機関、金融機関、大学や研究機関、キャリア/通信事業者の5つだ。日本にも大手金融機関や複数のキャリアなどに顧客を持ち、本番環境で利用されているという。
特にこうした顧客では、OpenStackを用いてプライベートクラウドを構築したいというニーズが高まっており、ここにBig Cloud Fabric展開のチャンスが生まれていると、マレー氏は語る。「当社では昨年(2014年)にBig Cloud Fabricをリリースしたが、当初からOpenStackを意識していた」(マレー氏)。
Big Cloud FabricはOpenStackのネットワークコンポーネント(Neutron、Nova)をサポートしている。OpenStack側でネットワークトポロジーを指定すると、APIを介してBig Cloud Fabricコントローラーが自動的に論理ネットワークを構成する。
「OpenStackはこの3年間で急速な進化を遂げてきた。しかし、ネットワークがその足を引っ張っていた。ほかのネットワーク製品ベンダーが(OpenStack市場に)出遅れる中で、ビッグスイッチにとってはチャンスだと見ている」(マレー氏)
Big Cloud Fabricでは、おおよそ4半期ごとに機能追加をした新バージョンをリリースしている。最新バージョン(V3.0)では、KVM上でOpen vSwitchをコントロールする「Switch Light Virtual」ソフトウェアを追加したことで、物理スイッチ+仮想スイッチを統合的にコントロール/監視できるSDNファブリックを実現している。「オープンハードウェアベースのSDNファブリックでは業界初だ」(マレー氏)。
加えて最新バージョンでは、「VMware vSphere 6」環境のネットワーク自動化、VMware Integrated OpenStack(VIO)へのネイティブ対応など、VMware環境との連携も強化している。
マレー氏は、先進的な技術に関心の強い日本市場でもOpenStackへの期待が高く、日本の顧客が求める高品質なソリューションやサービスをこれからも展開していきたいと語った。また、同社のSDNコンセプトはデータセンター領域以外のネットワークにも適用可能であり、たとえばIoTやNFVといったセグメントでのソリューションも検討していくと述べている。
