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使い勝手がよく、手軽に記録できる良製品

iPhone対応のソニー「SmartBand 2」のセンサーが優秀だった

2015年10月31日 12時00分更新

文● 四本淑三

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バッテリーの持続時間が課題

 付加的な機能にも触れておくと、睡眠の浅い時間を狙ってバイブレーターを鳴動させる「スマートウェイクアップアラーム」は、無慈悲に起こされた感じがしなくて、あまり腹も立たないところがいいです。ただ、音楽の再生/一時停止ができる音楽アプリのコントロール機能は、コアのボタンを長押ししてからコアをタップする(叩く)という動作が面倒で、あまり使いませんでした。

電話のほか、各種アプリの着信をバイブレーターで知らせる設定もできます。あまり設定しまくると、四六時中ピリピリ鳴りっぱなしになって、何の知らせなのかわからなくなりますが

 毎日使うものとして気になるのは、やはりバッテリーの消耗が早く、頻繁に充電しなければならない点です。バッテリーの持続時間は心拍計の計測モードで異なり、10分間に2分間計測する通常モードで最大2日間、心拍連続測定モードで最大10時間、心拍の計測をしないSTAMINAモードで最大5日間と発表されています。

 アプリの起動中も心拍連続測定モードに入るので、あまり頻繁に起動するとバッテリーの消耗を早めます。歩数や心拍数などのデータは、スマートフォンとの接続がない状態でも、本体に72時間分まで貯めているので、アプリを一度も起動しなくても3日は大丈夫ということです。

 実際にアプリの起動もせず、純粋に通常モードだけで使った場合、2日間持つことは確認しています。ならば1日おきに充電すればいいのかというと、これが厳しい。たとえば夜、お風呂に入っている間を利用して充電を始め、約1時間の充電が終わったら再び装着して寝る。これを1日おきにくり返そうとしても、お風呂に入る前にうっかり寝てしまうと、バッテリー切れでその日の睡眠データは取れないわけです。結局、毎日、小刻みに充電することになるわけです。

 もうひとつ、贅沢を言うなら、他サービスとの連携です。SmartBand 2はAppleのヘルスケア対応なので、SmartBand 2のデータは、ヘルスケア対応の他機器のデータと共存できます。ですが、それ以外のサービスとデータを共有することができません。

 たとえば、自転車用ロギングアプリの「Strava」に、心拍センサーとして直接接続する、あるいは栄養管理サービス「MyFitnessPal」と消費カロリーのデータを共用する、というようなことです。これは国内ブランドのフィットネス製品全般に言えることですが、そろそろ国外メーカーとの協力を検討してほしいものです。

ヘルスケアでSmartBand 2のログを表示した画面。純正アプリのほうが見やすいのは当然として、ヘルスケアを使うメリットはあります

ヘルスケア対応センサーならデータの引き継ぎも可能。10月26日までは貸出機のSmartBand 2で記録。それ以降は同じヘルスケア対応のJawbone UP3で記録しています。この2つのセンサーのデータは、同じグラフ上に表示されます

 ネガティブな点はそこだけ。光学式心拍計を内蔵した活動量計としての使い勝手はよく、かつコストパフォーマンスは高い。バッテリーにさえ気をつければ、手軽に運動状態を記録できるいい製品なのは間違いありません。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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