レバーの付いたバネ棒で交換作業がラクに!
Knotの腕時計にはすべてのストラップの取り付けに、世界的な腕時計ベルトメーカーであるフランス「カミーユ・フォルネ」が考案した「アビエ式ベルト」と同じ方式が採用されてている。Knotでは「Easy Lever」(イージーレバー、ピン付きのバネ棒)と呼ばれる仕組みだ。
イージレバーは、腕時計本体を傷つけることもなく、手短にかつ安全にストラップの付け替え作業が行なえる便利な仕組みなのだ。アビエ式ベルトを採用していない市場のほとんどの腕時計は、内部にスプリングの仕込まれた多少伸縮する小さな棒状のピン(通称“バネ棒”と呼ばれる)でストラップを腕時計のラグと言われる部分に固定する。
イージーレバーは名前の通り“レバー”の付いたバネ棒の一種だ。中国の武術に詳しい方なら、「トンファー」と呼ばれている武具に似ているといえば理解は早いかもしれない。
バネ棒の側面から飛び出しているレバーを腕時計の中心線に向かって押せば、内部のスプリングが縮まってバネ棒の一方の突起が縮まってくれる仕組みだ。これによってバネ棒がラグから外れて簡単にストラップを交換することができるのだ。
残念ながらこの簡単な仕組みを搭載していない世の中の腕時計の99%は、操作の難しい“バネ棒外し”と呼ばれる専用の腕時計工具を使用して、バネ棒のピン部分を押し込んで外す超面倒な作業を強いられる。
腕時計が流通を経由してエンドユーザーに届けられてきた今までの時代であれば、この仕事は腕時計販売業者や修理業者の仕事でもあり、売上やサービスの一部でもあった。
しかしメカニカルな腕時計はごく一部の高級腕時計になり、安価な腕時計はそのほとんどがクォーツ製品になり、修理そのものの機会が減少している。
現在、マーケットに残った腕時計関連のビジネスは、年に一回から、運が悪いと数年に一回のバッテリー交換だけとなってしまった。当然、そういう時代には、腕時計のストラップをシーズナルに交換するとか、その日着ていくファッションに合わせて変更するなんて至難の業であった。
アビエ式ベルト(イージレバー)はそういう腕時計の世界を変えてしまう実力はあったが、当然ながらコスト増にすぐに結びつき、実際には世の中に存在する腕時計のほとんどは旧態依然としたバネ棒方式や、デザインコンシャスな独自のストラップ装着方式なのだ。
Knotの腕時計は自社の規格上、均一化されたストラップ幅の腕時計本体を2種類と、交換用ストラップをめったやたらと数多く、市場にリーズナブルな価格で提供することで変革を成し遂げたいと考えているようだ。

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