アダプターも必要なので……容姿はかなり変態的に
CINEMA MOUNTに一眼レフのレンズを取り付けるには、本体であるCINEMA MOUNTに一眼レンズ固有のマウント形式に合ったアダプターである「DOF」(Depth-Of-Field)アダプターが必要だ。
現在のところ、筆者がKOZIROを購入した香港のTurtleBackにはCANON EOSマウント、Nikonマウント、Leica-Mマウントの3種類がラインナップされているが、今回のLeica-M用DOFアダプターは、ネット上の先人の記事を見てほしくなった筆者のお願いを聞いて、特別に製造していただいた物だ。通常販売するのかどうか筆者は知らない。
しかし、基本的にはDOFアダプターのCANON EOSマウントに市販のLeica-M→EOSマウントアダプターを組み合わせれば同様のモノができると考えられる。
Leica-MのDOFアダプターも内部構造的にはDOFのEOSマウントアダプターと同じく、アダプターのほぼ中央にキヤノン製のフォーカシングスクリーンが取り付けられている。
実際の撮影では、一眼レフのレンズを通してフォーカシングスクリーン上に投影された倒立像(上下が反対の像)をスマホのカメラで撮影するという仕組みとなる。スマホレンズで直接撮影するのではないので、当然ながら昨今のスマホ独特のキレキレのピントのバッチリと合った画像は期待できない。
たとえ多少のピントの甘さ、緩さを交換条件に出してでも、被写界深度の浅い極めてノスタルジックなボケやオールディーズな雰囲気のある撮影結果を望む人のみが楽しめる超変態的組み合わせであることだけは間違いない。
実際に、CINEMA MOUNT+DOF Leica-Mアダプター+Leica Summilux 50mmを組み上げてみると、その外観は極めて重厚長大で誰が見ても明らかに変態仕様だ。このスタイルを目の前で見ても、まったく心がブレず折れない人だけが楽しめればいいシステムなのだ。
前述したように、一眼レフレンズが中間に位置するフォーカシングスクリーンに投影した倒立像をスマホカメラで無事に撮影するには2回のピント合わせが必要だ。
スマホカメラはフォーカシングスクリーン面にだけピントを合わせ、一眼レフレンズもフォーカシングスクリーン面にだけピントを合わせる。こんな両者のピントがきちんとフォーカシングスクリーン上で同期した時に素晴らしい写真が撮影できるはずのモノなのだ。
残念ながらほとんどのスマホに付属するカメラアプリでは、フォーカシングスクリーンをそのまま撮影するだけになってしまうので、スマホの背面モニター液晶で見られる画像は上下が通常とはまったく逆になった倒立像になってしまう。実際にやってみると身を持って分かるが極めて被写体を正確に狙い辛い。
そこで倒立像を正立像に変換して撮影できる「TurtleHead」というありがたいカメラアプリが無料で公開(iOS版、Android版)されている。「TurtleHead Pro」という上位バージョンのようなネーミングのアプリもあるが、個人的には筆者は“プロ”では無いほうが使い勝手がよかったのでアマチュアバージョンを使っている。
次ページへ続く、「スマホで撮ったとは思えないボケ感を堪能!」

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