今回のことば
「世界で選ばれている数々のナンバーワン製品を、日本の顧客に提供し、日本の企業のグローバル競争力を支援する。それが日本HPの役割になる」(日本HPの岡隆史代表取締役社長執行役員)
分社化しても、たすきがけ人事で緊密な関係を
8月1日付けで、日本ヒューレット・パッカードが分社化。エンタープライズ製品やサービスなどを扱う日本ヒューレット・パッカードと、PC、プリンタ、ワークステーション、を扱う日本HPとに分社した。
米ヒューレット・パッカードの分社化は、米国時間の2015年11月1日に行われる予定であり、社名は、それぞれ「Hewlett-Packard Enterprise」、「HP Inc.」となる。日本では、それに3カ月先駆けて、分社化した格好だ。
どちらも本社はこれまでと同じ東京都江東区大島。日本ヒューレット・パッカードの代表取締役社長執行役員の吉田仁志氏は、日本HPの社外取締役に就任。また、日本HPの岡隆史代表取締役社長執行役員は、日本ヒューレット・パッカードの社外取締役に就任する「たすき掛け人事」。ビジネスは別々の体制というが、日本においては、緊密な関係が維持されるものになりそうだ。
分社化以降、公の場において、同社トップがなんらかの発言をするということはなかったが、9月11日に東京・有明のビッグサイトで開催された「IGAS(International Graphic Arts Show=国際総合印刷機材展)2015」にあわせて行われた同社の新製品発表会見で、日本HPの岡隆史代表取締役社長執行役員が、初めて分社化について言及した。
日本HPの岡隆史代表取締役社長執行役員は、「新会社になってから、公の場で挨拶するのは今回が初めてのこと」と前置きしながら、「ビジネスPC、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ、デジタル印刷機、ラージフォーマットプリンタといった世界ナンバーワンの製品を数多く持つのがこの会社の特徴。日本では、デスクトップPCやワークステーションでもナンバーワン。また、個人向けPCでは、世界第2位のシェアを持つ」とコメント。「世界で選ばれている製品を日本の顧客に提供し、グローバル競争力を支援することになる」と続けた。
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