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顧客中心の“IoC”を、セールスフォース「Dreamforce 2015」レポート 第1回

人とモノがつながり、分析から最適なアクションが導かれる世界――Dreamforce 2015レポート

ベニオフCEO、Dreamforceで「顧客のインターネット」を語る

2015年09月18日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●大塚/TECH.ASCII.jp

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 米セールスフォース・ドットコムは、2015年9月16日~18日までの3日間、米サンフランシスコで「Dreamforce 2015」を開催している。

米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ会長兼CEO

Dreamforce 2015の会場、サンフランシスコのモスコーニセンター

 事前登録者は17万人に達し、過去最高の参加者数を記録。会期中には1600のセッションが行われ、1000万人がオンラインで参加。400社以上が展示会場に出展した。IT関連イベントとしては最大規模のものだといえよう。

 初日には、マーク・ベニオフ会長兼CEOが基調講演を行った。「セールスフォースは、マイクロソフト、オラクル、SAPに次いで、世界で4番目のテクノロジー企業になった」と切り出したベニオフ氏は、まず16年間の同社の軌跡と成長を語った。

 「セールスフォース・ドットコムはこの16年間に渡って、新たなテクノロジー、新たなビジネスモデルを生み出しただけでなく、新たな社会貢献モデルを生み出してきた。マルチテナンシーの実現、メタデータプラットフォームの提供、アプリケーションをデリバリーする力に加えて、顧客との1対1の関係を作り上げてきた。それをエンタープライズクラウドの上で実現している。最新四半期で2340億件のトランザクションを処理し、11カ所のデータセンターを持つ。顧客の成功のために最善の努力をしている」(ベニオフ氏)

“顧客のインターネット”実現のための「Salesforce IoT Cloud」

 今回のDreamforce 2015で“目玉”となったのは、新たに発表された「Salesforce IoT Cloud」である。IoTのセンサーやデバイス、さらに顧客情報などのデジタルコンテンツまで、数十億件のイベントをリアルタイムに分析し、アクションにつなげることを可能にするものだ。

 Salesforce IoT Cloudについてベニオフ氏は、「リアルタイムにイベント処理を行うエンジンである『Thunder』によって、IoTから発生する数十億のイベントを連携。人とモノがオンラインでつながっている世界を実現するとともに、そこから洞察を導き出すことで、適切な顧客に対し、最適なアクションを、最適なタイミングで起こすことができる」と説明する。そしてその背景には、顧客を中心に考える『IoC(Internet of Customers)』という考えがあるという。

 「モバイル革命が起こり、ソーシャル革命が起こり、そして、データ科学革命が起こっている。さらに、IoT革命の動きも見逃せない。IoTは、すべてが顧客につながっているものだといえる。だからこそ、セールスフォースではIoTというよりも『IoC(Internet of Customers)』と呼んでいる。この顧客のインターネットを実現するIoT Cloudによって、企業は、顧客とリアルタイムで1対1の関係を築くことができ、営業、サービス、マーケティングといったビジネスプロセスのアクションをプロアクティブにするなど、新しいカスタマーサクセスを実現することが可能になる」

Salesforce IoT Cloudは、スケーラビリティのあるリアルタイムイベント処理エンジン「Thunder」を基盤に動作する

数十億件におよぶ膨大なIoTイベントを取り込んで分析、リアルタイムに最適なアクションを実行することができる

(→次ページ、マイクロソフトのトンプソン会長、シスコのロビンスCEOも登壇

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