Wyse vWorkspace、多様な仮想化/エンドポイントに対応し「顧客に選択肢を」
中小企業や学校も狙う、デルがデスクトップ仮想化製品を国内投入
2015年09月16日 09時00分更新
デルは9月15日、デスクトップ仮想化(VDI)製品「Dell Wyse vWorkspace 8.6」の国内販売を開始した。低コストで小規模から導入しやすく、一方で高いスケーラビリティも備えること、単一のコネクションブローカーを介して、VDI/ターミナルサーバー/アプリケーション仮想化の多様な環境とエンドポイントを組み合わせて利用できることが特徴。
Wyse vWorkspaceは、Dell Wyse Cloud Client Computingポートフォリオの一部として提供されるデスクトップ仮想化ソフトウェア。最新版で日本語(および韓国語、簡体字中国語)へのローカライズが行われたため、日本市場でも本格展開を開始した。1ユーザーシートあたりのリスト価格は4万2000円(税抜、3年間の24×7サポート付き)。
vWorkspaceの大きな特徴は、柔軟なデスクトップ/アプリケーション仮想化環境とエンドポイントの選択ができる接続ブローカー「vWorkspace Connection Broker」の存在だ。VDIプラットフォーム(Hyper-V、VMware、Pallarels、ブレード/物理サーバーなど)だけでなく、ターミナルサーバー、リモートデスクトップセッションホスト(RDSH)、アプリケーション仮想化(Microsoft App-V、VMware ThinAppなど)への接続を、単一コンソールから単一のポリシーに基づき集中管理できる。
また、Wyseのシンクライアント端末だけでなく、PC/Mac/Linux/iOS/Android用のネイティブアプリ「vWorkspaceコネクタ」、さらにHTML5対応ブラウザからもアクセスできる。米デルのテリー・バージェス氏は、「顧客に多彩な“チョイス”を与えることが重要だ」と語り、デスクトップ仮想化とエンドポイントの柔軟な選択肢を提供できるvWorkspaceの特徴を説明した。
また、コネクタのインストールは自動化されており、設定もポリシーに従って自動構成される。これにより、ユーザーのデバイスは数分でVDIにアクセスできる状態になる。
ユーザーエクスペリエンスからハードウェアリソースの状況まで、デスクトップ仮想化環境全体を監視/診断できるツール「Foglight」も同梱されており、パフォーマンス劣化の原因をいち早く突き止めることが可能だ。
また、RDP/RemoteFXプロトコルを独自に拡張し、データ量を圧縮しながら画面/音声品質も高める技術“バーチャルチャネル”を利用可能で、WAN経由でもLANに匹敵するユーザーエクスペリエンスを実現するとしている。
「ハードウェアのWANアクセラレーションなどが不要となるため、コスト削減につながる。また、ブートストームの発生を防ぐ『HyperCache』『HyperDeploy』といった技術で高価なSANストレージも不要となり、これも低コスト化を実現する要因だ」(バージェス氏)
「100~300デスクトップ規模の企業や学校にもVDIの裾野を広げる」
デル日本法人でクラウド・クライアント・コンピューティング事業部 事業部長を務める足立修氏は、デスクトップ仮想化のインフラからソフトウェア、エンドポイントデバイスまで、すべてを提供できる豊富なポートフォリオを持つベンダーはデルだけだとアピールした。
なおデルでは、「PowerEdge 13Gサーバー」をベースに、vWorkspaceとHyper-Vハイパーバイザ、VDIまたはアプリケーション仮想化のソフトウェアを構成済みで提供するアプライアンスも提供する。さらに、vWorkspaceはマルチテナント機能も備えているため、DaaSを運用するサービスプロバイダーにも提供していくと、足立氏は述べた。
ソフトウェア/アプライアンスの販売は、アセンテックなどのパートナー経由、およびデルの直販。なお、vWorkspaceの低コスト性を生かし、販売ターゲットは小規模な企業や学校、公共組織だという。
「シトリックスやヴイエムウェアのデスクトップ仮想化ソリューションを導入している(比較的大規模な)企業よりも、これまでデスクトップ仮想化を使っていなかった小規模ユーザーに持っていきたい。100~300デスクトップ規模のユーザーに、VDIの裾野を広げていきたい」(足立氏)