「あえぎ声のプラットホーム」つくってみた
もっと幅広くウケるサービスを作ってみようと、ウェブの知識がほとんどない中『物々交換サービス』を立ち上げた。ただ物々交換をするだけでなく、ブログ機能もあるコミュニティーサイトに仕立てあげた。
しかし結果は大失敗。ユーザーを増やす方法がなく、いつまでもぽつぽつとしか使われない。ソーシャルではやらせようにも知恵がなかった。
「ミクシィの物々交換系コミュニティーに15万人くらいがいたので、ここだと思ってリンクを貼っていたら、スパムだと思われて『悪徳業者だ』と事実無根のうわさまで立てられてしまいまして……」
仕方なく物々交換サービスをたたみ、今度は鹿児島大学の学生が使えるソーシャルネットワークをつくった。今度は好評。ウェブ系の受託制作バイトをしながら、サービスを運用しているうちに、アプリコンテストの話が入ってきた。
アプリは作ったことがなかったが、一回は出してみたい。そこで作りはじめたのが、TalkSpaceの前身となるサービスだ。しかし、その内容はかなりきわどい。
「“あえぎ声のプラットホーム”をつくろうじゃないかと。南アフリカの人がどんな声であえぐか聞きたいだろと。これは世界が変えられると盛り上がり、技術をいっぱいつめこんで軽量化技術を入れて処理を軽くしたんです」
当時、カヤックの『こえ部』のように音声コミュニティーサービスはすでにあった。だがいずれもパソコン向けで、スマートフォンには処理も重い。これはいけると大学内の研究室を借りて「あえぎ声プラットホーム」をつくりはじめた。
が、これもやはり大失敗だった。