速いサービスと遅いサービス
見分けるポイントは提供事業者
「Wi-Fiなら高速!」というような宣伝文句も見かけるが、今やLTEの実行速度は十分高速で、Wi-Fiよりも高速という場面はかなりある。
そもそも、公衆無線LANのバックボーンとしてLTEやWiMAXなどのモバイル回線を使っているケースもあり、そんな場所では公衆無線LANがモバイル回線よりも速くなることはありえない。
速いサービスを見分けるポイントとしては、まずモバイル回線ではないことが前提。例えば、バスや新幹線車内など動いている場所ではあまり速度は期待できない。固定した場所でバックボーンが光ファイバー回線のところを探すことが、速いところに当たる方法だ。
バックボーンの回線がなんであるかは公開されていない情報だが、筆者の経験から、速い回線はモバイルがベースの通信会社よりも固定通信がベースの通信会社のほうが多い。バックボーンの回線が光ファイバーであることが多いからだ。
具体的には、docomo Wi-Fiやフレッツ・スポットといったNTTが冠に付くサービスでは「NTTBP」が整備していることが多く、光ファイバーである確率が高い。
前述した「Japan Connected-free Wi-Fi」はNTTBPのアプリなので、これが使えるところは同社が整備したところとだいたい合致する。バックボーンに付いている会社を判断することで、速さなどの目安にはなるだろう。
なお、NTTBPはプロバイダーではないため、ここに直接加入することはできない。バックボーンを整備する会社なので、実際に利用するためにはNTTBPが整備した設備を使うdocomo Wi-Fiなどに加入することになる。
都バスで使える無料の公衆無線が超便利!
逆に、速さよりも便利さという点で優れているのは交通機関の公衆無線LANだ。駅のWi-Fiの便利さは、カフェよりも便利。カフェならばいちいち店に入り、コーヒーを頼まなければならないが、駅ならば移動途中の電車待ちを有効に使うことができる。
docomo Wi-Fiのアカウントで利用した限りでは、駅の公衆無線LANは速いところが多いという印象で、特に首都圏の地下鉄、私鉄は良好だ。
たとえば、電車に乗っているときに、何か大きめのファイルの送受信が必要になったとき、乗替駅でWi-Fi接続、一気に大容量データを送受信してしまうという方法も考えられる。
また、最近特に便利だと思うのはバスの無料Wi-Fi。目的地に向かっている途中に通信ができるので、動画視聴などに便利だし、実際そういう乗客をよく見かける。
LTEやWiMAXがバックボーンとなるので、自前のLTEやWiMAXの回線を使うよりも速くなることはないが、何よりも容量を節約できる。
前述のように動画を視聴したり(速度は期待できないので低ビットレートの動画に限るが)、観光情報を整理しておいたり、打ち合わせの帰途でバスに乗り、必要になったファイルを送信したりと、使い道はたくさん。バスは電車よりも着席率が高い点も使いやすい。
バスの無料Wi-Fiは東京の都バスをはじめ、福岡市営バスで導入されている。たとえば、都バスは1日何回でも利用可能だが、1回につき180分までという制限が付く。また、利用にはメールアドレスの登録が必要になる。有料ではau Wi-Fiが横浜市営バス、京王バス、そのほかの長距離バスで利用が可能だ。
外ではぜひ公衆無線LANの活用を!
もともと無料のものから、有料サービスが無料で使えることもあるなど、公衆無線LANはコストがかからず、活用次第ではたいへん便利に使える。セキュリティーの点でも安心なサービスを選んだり、少し注意していれば問題にはならないと思われる。
ぜひ、無料で安心の公衆無線LANがあるかどうか、自分が無料で使えるかどうか、また、無料でなくても少しのお金を払えばたいへん有効なサービスもある。ぜひ、有効活用してほしい。
次回は、PCのOSをWindows 10にした際の、モバイルデータ通信量の節約について考えていく。

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