ビッグデータである。
「国内唯一の、郵送型・オンライン対応型『腸内細菌叢(そう)検査キット』を開発しています」と、サイキンソーの沢井 悠代表は胸を張る。
サイキンソーの開発している『マイキンソー』は、自宅にいながら診断が受けられるオンラインの検便サービスだ。キットに入った検便チューブを使い、米粒ほどの便を採取・郵送すると6週間ほどで結果が送られてくる。
「レポート内容は8項目。腸内細菌の存在比率、生活習慣が把握できて、普段食べているヨーグルトが自分のからだに合っているかなどもわかります」
現在、日本のクラウドファンディングMakuakeで支援者を募集しており、検査価格は1万8000円ほどの予定。一般的な検便の800~3000円に比べると超高級だが、腸内細菌をDNAレベルで調べ、検査項目が150~200種類と多いのが特徴だ。
「通常の検便は目的としては感染症検査。ノロウイルスなどの抽出や大腸がん検査でした。われわれは腸内細菌すべてを見ることで、ライフスタイルに示唆を与えるのが大きなちがいです」
データ面では理化学研究所に所属する腸内環境の権威と連携。生活習慣と腸内環境の相関データ約3000人ぶんを活用することで、今後は健康管理に役立つアドバイスを提供していきたいということだ。
また現在はβ版として腸内環境データの二次利用案件も進めている。食品メーカーの開発支援、また一般企業での生活習慣病予防などに応用する計画がある。
便の診断は面白いのだが、遺伝子検査キットと同じように、こうしたヘルスケア診断サービスは価格がむずかしい。どれだけ手軽にできるか、そしてどれだけ信頼できるサービスにできるか、今後ビッグな期待がかかる。