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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第3回

国会前デモのスペックを眺めてみる

2015年09月08日 17時00分更新

文● 前田知洋

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会議やクレーム処理の参考にもなる?
国会質問のスペック

 最近は新聞やテレビの報道もわかりにくい。番組や記者のバイアスが強くかかってしまっているというか…。そこで、おすすめなのが国会中継をテレビで観たりラジオで聞いたりすることです。ライブなので見所があり「こんな質問でよく給料(歳費)もらってるなぁ…」と次の選挙の参考になります。

 中継を観ていて気がつくことは、話すスピードや態度、服装や手元の資料を見る頻度で、スピーチの印象が大きく変わることです。相手の意見に反対をするにしても、ギャラリーを意識しながら、柔らかい口調、投げやりにスピーチしない、データを説明する以外は書類を見ない、オプションでユーモアを適度に混ぜるなど。間違ったスピーチのしかたをすると、相手にさらに攻撃されるか、必要のない敵を作ることにもなりかねません。

 筆者の仕事のマジックでも、セリフの選び方や振る舞い、服装で観客への好感度や説得力は大きく変わります。じつは、マジシャンにとって、衣装や言葉の選び方は非常に大切。同業者には秘密にしていますが…(笑)。

 もちろん、一番大切なのはスピーチの中身ですが、同じことを言うにも言葉の選び方一つでトラブルになってしまうのは、ビジネスシーンでも同じです。

もし、上司やクライアントに政治のことを振られたら…
政治談義のスペック

 とあるプライベートな食事会で、某外資系保険会社の外国人社長が「オバマ大統領についてどう思いますか?」と質問され、その答えに感心したことがあります。その答えは「昨年、本を書きまして、オバマさんのことを、本の中でとても褒めたんです。今は、褒めたことを少し後悔していますが、その本は全然売れなかったので助かりました…(笑)」というもの。

 ユーモアを混ぜながら、自分の意見を主張し、大統領支持派も反対派も聞いて嫌な感じはしません。自分の失敗に話が変わっているのも好印象です。

 筆者を含め、そんな政治談義の達人にはなかなかなれません。しかし、各自に主義や思想があり、口論になりやすい政治については、ユーモアで返すと場が和むかもしれません。ビジネスシーンでの政治談義は、相手をねじ伏せるための戦いではなく「思想や考えの違う人とも、上手く付き合う」ことなのが最重要課題をお忘れなく…。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。現在、ビジスパからメルマガ「なかマジ - Nakamagi 3.0 -」、「Magical Marketing - ソシアルスキル養成講座 -」を配信中。

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