Windowsのバージョン3.1をインストール
Windows 3.1は1992年にリリース、日本語版は93年にリリースされた。まだインターネットが一般的になる前の時代だ。Windowsの原型であり、複数ウィンドウを開き、おぼつかないとは言えマルチタスクを実現していた。それまではDOS上でプログラムを走らせていたので、GUIになったインパクトは大きい。
OSとは言え、Windows 3.1はMS-DOS上で動作している。そのため、まずはDOSをインストールする必要がある。MS-DOS 6.2はFD6枚組。1枚目で起動して、仮想HDDに領域を確保してからインストール開始。インストールは終わるのだが、再起動すると画面がフリーズする。これはディスプレイドライバーと拡張メモリの管理機能がうまく働いていないため。さらに、Windows 3.1をCDイメージからインストールするために、CD-ROMドライバーもセットアップする。
先に、Windows 98の起動ディスクから「oakcdrom.sys」をMS-DOS6.2の1枚目にコピーする。次に、editコマンドを実行し、MS-DOS6.2の1枚目にある「\autoexex.bat」を編集する。「DEVICE=C:\DOS\EMM386.EXE」の前に「rem 」を挿入して拡張メモリー機能を無効化し、「DEVICE=C:\JDISP.SYS」に「 /HS=LC」オプションを追加する。また、CD-ROMドライバーとして「device=c:\oakcdrom.sys」を追記する。続いて、「config.sys」の編集画面を開き、「mscdex /d:12345678 /l:d」と入力し、CD-ROMをDドライブとして認識するようにする。
これで、準備完了。仮想HDDからMS-DOSを起動し、CD-ROMの「setup.exe」を実行すればいい。FD版であれば、CD-ROMドライバーのセットアップは不要。その代わり、12枚のFDを入れ替えてインストールする必要がある。
10個のWindowsを同時に起動する!
準備が整ったので、片っ端から仮想OSを起動する。無事、10個のWindowsが起動し、普通に操作できるようになった。ちょっとPCの操作が重い感じだが、ブラウザーの閲覧や原稿の執筆も問題なく行なえる。「リソースモニター」で確認したところ、CPU使用率は40%前後、物理メモリは67%を使用していた。まだまだ余裕がありそうだ。
6枚のフルHDディスプレーに10個のWindowsが起動するのは壮観。それぞれの時代に思い出があり、これを見ているだけでご飯がお代わりできる。すんなり解説しているが、実はトラブル続きで大変な作業だった。原稿に書けないほど基本的な失敗も数えきれないくらいやらかして、鈍っていることを実感。その代わりに、FDISKコマンドで画面を見ずに、パーティションを確保できるなど、指が覚えているところもあった。まさに夏休みの自由研究みたいに時間を忘れて楽しむこともできたのがよかった。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。