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植物工場が商用化されるなか、商品価値のある作物の栽培が重要

三菱樹脂、人工光閉鎖型設備を利用し「薬用植物」の国内量産技術を確立

2015年07月15日 16時08分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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人工光閉鎖型苗生産設備

 三菱樹脂は7月15日、甘草(カンゾウ)の国内栽培技術を確立したと発表した。

 薬用植物は甘草(カンゾウ)やシャクヤク、ウコン、桂皮などを中心に漢方薬や健康食品、化粧品などに利用されているが、その供給は中国などからの輸入に頼っている。また、ほとんどの薬用植物は野生品の採取であり、乱獲も問題となっていることから、国内での安定確保できる体制づくりが急務とされていた。

甘草の圃場

 三菱樹脂はグリーンイノベーションと共同で、人工光閉鎖型苗生産性設備での甘草苗の生産、および畑での甘草栽培の適地見極めと栽培技術の確立、優良株の選抜・増殖技術を開発。6年にわたる試験栽培と実証栽培ののち、第16改正日本薬局方基準(グリチルリチン酸含量2.5%以上)を満たす収穫(全収穫物平均2.8%含有)を上げることに成功した。両社は今後、日本国内の自給率を上げるための定植地拡大を国や自治体に働きかけ量産化に向けたビジネスモデル構築を進めるという。

 植物工場を用いた食料生産が注目を集めるなか、1株あたりの商品価値の高い薬用植物の国内生産は費用対効果が高いとされていたが、これまで栽培技術の点で実用化が難しかった。技術が確立したことにより、漢方医薬だけでなく有用成分を多く含む薬用植物の利用が進むことが考えられる。

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