ウルトラミーハーな筆者は“オールドレンズ特集”の雑誌に影響をうけ、一昨年の春頃から「ライカMマウント」系のレンズにハマってしまった。速攻で手の届くリコーの「GXR」&「A12マウント」、そしてVoigtlanderの「Nokton 50mm F1.5」を手に入れたのは言うまでもない。
互換機を持っていると必ず、見てみたい、試してみたい、手に入れたい、となるのが本物の存在だ。予約してもすぐ入手できない歯がゆさがより好奇心を加速して、借金地獄ながらも一昨年の梅雨ころには「Leica M」(Type 240)を手に入れていた。
多くのLeicaレンズのファンが陥る深い深いレンズ沼からやっとの思いで這い出し、結果、手元に残ったレンズは新旧の「SUMMILUX-M F1.4/50mm」とMS-Opticalの2枚の極小レンズ、 Voigtlanderの広角「ULTRA WIDE-HELIAR 12mm」に落ち着いた。
そんな矢先、またしても魅力的なデジカメが御本家から発売された。世間の新製品やうわさ話に疎い筆者が聞いてもいなかった「Leica Q」(Type 116)と呼ばれるコンパクトデジカメがそれだった。
フルサイズ素子を採用する
超高級コンデジ「Leica Q」
最初は35mmフルサイズの2400万画素CMOSセンサーを搭載した、レンズ交換ができないLeicaの入門機がまた1つ増えたと思っていた。
Leica Qの外観は伝統的なLeicaスタイルのカメラだが、ブラック一色でサイズはLeica Mよりひとまわり小さく、旧来のフィルムライカサイズに近く、総重量はバッテリー込みで640gと極めて軽量だった。
Leica M(Type 240)は、見るからに風格と伝統そして高級感はあるが、シルバーカラーのSUMMILUX 50mmレンズ込みで1200gを超えてしまう。Leica QはなんとLeica Mの約半分という軽さなのだ。
Leica Qは、標準でオートフォーカス対応の開放F1.7/28mmの単焦点レンズを採用し、解像感は低下するが、背面にあるサムボタンの操作で35mm、50mmのクロッピング撮影もできる変わり種だった。
新しく光学式手ブレ補正機構も搭載。映像エンジンには新世代の「LEICA MAESTRO II」をいち早く採用し、最大10コマ/秒の高速連写も可能になっている。
Leica Qが何より筆者の興味を惹いたのは、標準搭載のSUMMILUX F1.7/28mm ASPHというマクロ撮影(17cm-30cm)も可能な明るい広角レンズと、368万画素という超高精細なEVF(電子ビューファインダー)だった。
この明るい広角レンズと高精細なEVFは、まだまだカメラ初心者の筆者に「広角マクロボケ」という新しくて楽しい遊びを教えてくれた。
次ページへ続く、「ライカだけどスマホからのリモートコントロールに対応」

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