ケースのバリエーションも、増えると良いですね
Apple Watchのデザインは、iPhoneように、アクがない形状ながら、iPhoneの薄さよりももう少し存在感がある。そんな話を前回の本連載で記しました(関連記事)。
文字盤の針の先にまで名前がついているほどですから、腕時計そのもののデザインの大きな部分を占めるケースのデザインも、すべて同じ形状、2サイズのみ、というだけでは少し不足かも知れません。円形ではない、という点については、あまり気にしていないのですが。
サイズやデザインが機能を主張するものもあります。前述のSinn U1はゴツくないけれど深くまで潜れる、というユニークさがありますが、一般にダイビングウォッチは水圧をきっちり押し返す強靱なボディが特徴です。
あるいはパイロットの時計は、文字盤が大きく視認性が高い方が良いでしょう。つまり42mmではなく48mmといったより大きなケースがあると良いかも知れません。ダイビングもパイロットも、ケースを大きくするという話ですので、Apple Watchの進化、バリエーションとしては実現可能でしょう。
一方、フォーマルに合わせるときには、もう少し腕にフィットする、薄いケースがあると良さそうです。こればかりは、より薄くせよ、という話ですので、バッテリーの関係から少し難しい部分もあるのではないでしょうか。
あとはエコシステムの活用も
Apple製品と言えば、エコシステム。サードパーティーのケースやアクセサリー、そしてアプリ開発者が、様々な用途やデザインを補完してくれるのが常です。
Apple Watchについては、アプリは動作が遅くてちょっと使いたくないという気持ちもありますが、カシオの電卓搭載腕時計を再現するアプリが登場するなど、時計の文脈での拡がりも楽しみになってきました。
文字盤については、現状ではAppleしか追加できないようですが、こちらについても開発者というかデザイナーに開放されると面白いですね。腕時計メーカーがApple Watch向けの自社の時計の文字盤をリリースしたら、実際の時計のプロモーションになるかもしれませんし。
ケースについては、今週になって、サードパーティーから少しずつ登場し始めました。腕時計の使用感を損なわず、外装を少しアレンジする、そんな製品が出てきて、パッと見てApple Watchだとはわからない雰囲気を楽しむことができるようになるでしょう。
そして、前々回に触れたバンド(関連記事)。こちらもさまざまなバンドが登場して、来年の春ごろには、「Apple Watchユーザーの平均交換バンド所持数は1.7本」みたいなデータが出てくるんじゃないでしょうか。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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