製造した個体すべての特性をウェブで公開
OPUS1の面白いところは全品ハンドアセンブルで、個体の計測データがシリアルナンバーとともにウェブで公開されることです。特性の個体差が少ないことをアピールするのが目的ということですが、プロモーションとして見ても、これはなかなか大胆な手法です。
なにしろ少ないとはいえ、個体差による特性の違いを正直に申告し、何台製造したかもわかってしまうわけですから。
しかし、このデータが信頼できるものなら、このメーカーのブランド力創出につながるでしょう。新型ドライバー搭載という話題性もさることながら、新しいことをやってやろうという、こうしたチャレンジ精神は大いに買いたいところです。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ