コラボレーションを超えた「エンゲージメント」を、バンコク・ATF 2015レポート
アバイアはもはや「コンタクトセンター」「UC」の会社ではない?
2015年05月25日 14時00分更新
カスタマー/チームエンゲージメントを統合する未来へ
さらにアバイアでは、エンゲージメントというキーワードの下、プラットフォームの統合にも取り組んでいる。「カスタマーエンゲージメントとチームエンゲージメント、この2つをつなぐことで、より効率的でより価値の高い環境が実現する」(カニンハム氏)。
簡単な例を挙げれば、コールセンターで受けた顧客からの製品問い合せを、直接社内のエキスパートや担当者につなぐことができる。そのとき、その顧客がどういう製品を購入し、これまでどういう顧客対応をしてきたかといった顧客にまつわるコンテクストを、スタッフ間で簡単に共有できるような環境だ。これにより、効率的かつ的確な顧客対応が見込める。
具体的には、ファブリックネットワーク/SDNソリューション、さまざまな機能を組み込んだアプリケーション構築ができる「Engagement Development Platform(旧称:Collaboration Environment)」を基盤として、カスタマーエンゲージメント/チームエンゲージメントのソリューションを展開していく方針だ。昨年12月には、その第一歩となる「Avaya Engagement Environment」も発表している。
「これまでアバイアが培ってきたさまざまなテクノロジーが、(エンゲージメントという領域で)実を結ぶ時期に来ている」(カニンハム氏)
競合とのアプローチの違い、ユニークな立ち位置
アバイアでAPAC担当プレジデントを務めるマイク・アンスリー氏は、「アバイアの持つ技術はユニークなものであり、こうしたシンプルなプラットフォームを開発できている競合ベンダーはいない。市場において、アバイアはユニークな立ち位置にいる」と、競合とのアプローチの違いを強調した。
「『どのアプリケーションを選ぶか』という競合製品のアプローチとは異なり、アバイアでは『あらゆるアプリケーションの一部として、コミュニケーションやエンゲージメントの機能を搭載すべきだ』と考えている。(Engagement Development Platformを通じて、そうした機能をアプリケーションにも追加できるので)つまり、顧客が使うのは、アバイアのアプリケーションでなくとも構わないわけだ」(アンスリー氏)
さらにアンスリー氏は、現在のアバイアのビジネスは製品売上とサービス売上が50/50の比率であり、ポイントプロダクトではなくソリューションの提供へと主軸を移していると語った。
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“エンゲージメント”というキーワードで、今後の方向性を明確に打ち出したアバイア。次回記事では、ATF 2015で紹介されたコンタクトセンター/UC/ネットワークの各製品の最新動向やテクノロジーについて紹介したい。