iPhone/AndroidなどのスマホやPCと、ポータブルヘッドフォンアンプ(略してポタアン)とを組み合わせ、より高音質な音楽鑑賞を楽しめる環境がほしいというユーザーが増えてきた。聴き慣れたアルバムでも、改めて“いい音”で聴くと印象は大きく変わる。機器や音源を変えたところ、「ボーカルの印象が一変した」「気付かなかった楽器のエフェクトを発見した」という経験が、オーディオという趣味の出発点になったというASCII.jp読者もいるはずだ。
ここ数年で発売されたポタアンの多くは、高性能なDAC(デジタル信号を人間の聴覚で感じ取れるアナログ信号に変換するためのIC)を搭載しており、高性能/高音質のヘッドフォンを組み合わせれば、高音質を実現する再生環境がすぐにできあがる。
今回紹介する「Sound Blaster E5」は、PC用サウンドカードで知られるクリエイティブメディアが提案するポータブルアンプ「Sound Blaster E」シリーズのフラグシップだ。DACには高級オーディオコンポーネントにも採用実績を持つ「Cirrus Logic CS4398」(S/N比120dB)を採用、PCとUSBで接続すればハイレゾ品質(最大24bit/192kHz)の音源も再生できる。ヘッドホンアンプの「TI TPA6120A2」も定評あるチップで、本製品の音作りにひと役買っている。
入力端子にはアナログ、光デジタルと2系統のUSB端子(Type-A/microB)を用意。Type-A端子はスマートフォン接続用という位置付けで、iOSデバイス(最大24bit/48kHz)およびAndroid端末(要AOA 2.0/Android Open Accessory 2.0対応、最大16bit/44.1kHz)とのデジタル接続をサポートする。Sound Blaster E5の充電にはmicroB端子を利用するのだが、最大24bit/192kHzのハイレゾ再生を行なう場合には、このmicroB端子から入力するようになっている。
クリエイティブメディアならではの部分としては、マルチコアオーディオプロセッサー「SB-Axx1」の採用が挙げられる。独自のオーディオ処理技術「SBX Pro Studio」の実現に利用される、DSP(Digital Signal Processor)としての役割を果たすシステム・オン・チップだ。同チップを利用した、「SBX Pro Studio 」機能は5つの構成要素からなり、一般的なステレオ音源をサラウンド化したり、圧縮された音楽の最適化やダイナミックレンジの拡張など、音楽、映画、ゲームなど幅広いオーディオサウンドに活用できる。
Bluetoothも搭載。AAC、aptX/aptX Low Latencyにも対応
またBluetoothを介した接続時には、Sound Blaster E5は、コーデックとして通常のSBC(SubBand Codec)に加えて、iOS機器/iTunesなどですでにおなじみのAAC(Advanced Audio Coding)、圧縮率が低く高音質で再生できるaptXをサポートしていることも覚えておくといい。aptXをさらに低遅延化したコーデックaptX Low Latencyも対応している。aptX Low Latency対応スマホやタブレットなどはまだまだ少ないが、Sound Blaster E5なら、将来対応製品が普及した場合も使い続けられるのだ。
